ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

ISMの数値を真に受けると 株価動向とのミスマッチにくらくら

最新の米国の設備稼働率の確認。

設備稼働率とは

生産能力に対する実際の生産量の比率、設備稼働率(以下:稼働率)。

一般に

☆景気が良くなる⇒稼働率は上昇

☆景気が悪くなる⇒稼働率は低下

する傾向。

https://jp.indeed.com/career-advice/career-development/capacity-utilization

上記サイトによれば

とのことで、国の財政、金融政策に影響することもある数値。

米国の設備稼働率(ここ25年)

※出所:米国 - 設備稼働率 | 1967-2023 データ | 2024-2025 予測

米国の稼働率、ここ25年ではざっと「64~83%」の範囲。

最低値は2020年コロナショックの64%程度。

ITバブル後の不況で74%程度の低値(2002年頃)。

サブプライムバブル後の不況で67%程度の低値(2009年頃)。

欧州債務危機では米国稼働率はほぼ下がらず、チャイナショック付近で75%程度の低値(2016年頃)。

高い時期については

ITバブル期の1999~2000年頃の82~83%がこの期間のピーク。

サブプライムバブル期で81%程度の高値(2005~2007年頃)。

チャイナショック前で79%程度の高値(2014年頃)。

チャイナショック後の世界的好況で80%程度の高値(2017~2018年頃)。

コロナショック後で81%程度の高値(2022年頃)。

米国の稼働率の大雑把なとらえ方としては

☆80%前後か80%以上⇒景気はよい

☆75%以下⇒景気は悪い

☆急速に数値が低下する局面⇒景気後退の可能性(株価は下がりやすい)

☆急速に数値が上昇する局面⇒景気拡大で株価は上がりやすい

といったところか。

最近の米国の設備稼働率

<ここ5年>

※出所:米国 - 設備稼働率 | 1967-2023 データ | 2024-2025 予測

ここ5年の米国稼働率。

今は2022年のピークから少し低下してきている局面。

※出所:米国 - 設備稼働率 | 1967-2023 データ | 2024-2025 予測

上記はここ1年の米国の稼働率。

最新の2023年6月は78.9%

5月の79.4%から0.5ポイント低下。

ここ1年では最低の値で、もしも75%に向かって今後急速に下がっていくようなら要注意。

ただ長期的にみると好況の目安「80%」に近い問題のない水準で好意的にみれば

高金利に負けず米国経済はうまく回っている

とみなせる水準。

 

一方、ISM製造業景況感指数は2023年6月は「46.0」と節目の50を大きめに割り込み、けっこう低い水準(2015~2016年のチャイナショックの頃より低い)。

※出所:米国 ISM製造業購買担当者景気指数より作成

チャイナショックの頃の稼働率のボトムは約「75」%でISMのボトムは約「48」。

今の稼働率は約「79」%でISMは「46」。

そもそも稼働率とISMを同じ目線で比較するのに問題はありますが、現状、

☆ISMの数値を真に受けると、株価動向とのミスマッチにくらくら

しますが

☆稼働率をみているとそれほど違和感がない

そんな状況。

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