2018.6.14、ECB理事会が開かれ、今後の方針が発表されています。
今後の資産買い入れ金額
上記記事によれば、ECBの量的緩和策による資産買い入れ金額は2018年の
・9月まで:月額300億ユーロ(月額約3.9兆円。1ユーロ=130円で計算)
・10~12月:月額150億ユーロ(月額約2兆円。1ユーロ=130円で計算)
その後は買い入れを終了する方針とのこと。
近年のECB資産増加額
※出所:Central Bank Assets for Euro Area (11-19 Countries) | FRED | St. Louis Fedのデータより管理者作成
※1ユーロ=130円で計算
2007年以降のECBの年間資産増加額。
2015~2017年は大幅な増加でしたが、今年に入って急激なペースダウン。
2016年、2017年は100兆円以上増えたECBの資産増加額は、2018年は5月までの5ヶ月で約13兆円に留まっています。
2018年の緩和ペースは劇的に落ち、2019年は資産買い入れを中止する模様。
株式市場にとってはネガティブな要因。
量的緩和終了後の「ECBの資産縮小(量的引き締め)開始時期」に関しては不明。
ECBの政策金利
※出所:【ユーロ】欧州中央銀行(ECB)政策金利 - 経済指標 - Yahoo!ファイナンス
ECBの金利の引き上げについて、上記記事より引用。
「少なくとも2019年夏にかけて、さらにインフレ動向が持続的な調整の道筋を巡るわれわれの現在の予想に沿い続けることを確実にするために必要な限り、現在の水準にとどまる」との見通し
しばらく金利は現状(0%)維持の見通し。
一部でうわさされた「2019年6月の利上げ」の実現可能性は低い模様。
しばらくは金利をいじらず、何事もなければ2018年で量的緩和からはマイルドに撤退する、方針である模様。
おわりに
FRBは資産縮小、金利引き上げに取り掛かっていますが、ECBはまだ時間がかかりそう。
日銀は不明。
日銀とECBは政策金利が0%付近であり、次回の不況の際、政策金利を下げて景気浮揚を図るという伝統的なカードを失っている状態であり、FRBより対応力が低くなっていると思われます。
また、日銀は量的緩和政策を継続しており、このままいくと、次回の不況の際の「量的緩和」というカードに関しても、FRB、ECBより対応力が低くなっていると思われます。
杞憂ならいいですが、日本の円高、株安、不況の長期化リスクは低くはないのかもしれません。
関連記事