ユキマツの「長期投資のタイミング」

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リーマンショックを含む2000年以降の下落相場②:欧州債務危機

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2008年のリーマンショックから10年。

区切りがいいこともあり、米国の景気拡大が長期にわたっていることもあり、

再びあのようなことが再現されるのか?

という趣旨の記事を見かけます。

本ブログではリーマンショックにこだわらず、景気減速を基準に、2000年以降の4回の下落相場に焦点を当ててみたいと思います。

今回は主に2010~2012年頃がメインの欧州債務危機。

※参照:欧州債務危機とは|金融経済用語集

※昨夜ツイッターに本記事をあやまって投稿してしまい、ツイートを消したらリツイートなども消えてしまいました。リツイート、いいね、していただいた方、申し訳ありません。
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4回の景気減速期と株価

●世界景気の指標

CLI(OECD全体)

※CLIについてはコチラ↓

OECD全体の景気先行指数

●主要株価

・全世界の時価総額(ドル建て)

・S&P500(米国)

・ナスダック総合(米国)

・TOPIX(日本)

・DAX30(ドイツ)

・上海総合(中国)

・Nifty 50 (インド)

とし、2000年以降の4回にわたる世界景気減速期の株価を確認してみます。

世界景気の減速期②:2011年2月~2012年9月

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※出所:Leading indicators - Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより管理者作成

欧州債務危機を含む②の期間、CLI(≒世界景気)の数値は

100.9⇒99.4

に低下。

2011.2~2012.9の19ヶ月間、世界景気は減速を続けていたことを示唆するデータ。

他の景気後退期と比較すると

好景気からそこそこの不景気になった時期?

と推測。

リーマンショック後の世界景気の回復基調が1年半以上にわたって崩れ、2番底懸念がくすぶり続けた時期です。

ずいぶん昔に感じますが、6、7年前の出来事。

欧州債務危機時の株価のピーク・ボトム時期と減少幅

この期間の株価のピーク・ボトム時期と減少幅を確認してみます。

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※S&P500、ナスダックなどの米国市場だけは株価の回復が早く、2011.5のピークを2012.2頃には超えているのですが、ここでは便宜的に2011年のピークで計算しています

概ね2011年4月頃~2011年10月頃にかけて、たった半年程度のうちに世界の株価は大きく下落。

上海総合はボトムの時期はずれていますが約35%の下落。

ドイツも約35%。

その他は20~25%程度の下落。

全世界の時価総額はこの期間、23.5%減少しました。

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※表とグラフの出所:WFETOPIX- Yahoo!ファイナンスhttps://jp.investing.com/indices/major-indicesのデータより管理者作成

所感①ショックが来てから、回復するまでが長い

欧州債務危機はなかなか抜本的な対策が打たれず、だらだら「リスクオン⇔リスクオフ」が続いた時期。

基本的には2011年4月頃にピーク、2011年9月頃にボトム、この半年ほどがメインの下落期となるのですが、2011年9月以降、2012年も問題がくすぶり続けていました。

本格的に株価が回復基調に戻るのは2012年の年末以降になります。

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※出所:WFEのデータより管理者作成

ちなみに、世界の時価総額は2011年4月に「60.3兆ドル」に達していました。

この数値は

・サブプライムバブル絶頂期の「63.0兆ドル」(2007年10月)には及ばないものの

・リーマンショック後、2009年2月の「28.9兆ドル」の2倍以上

の値です。

欧州債務危機の時期は、リーマンショック後の世界的な景気回復とともに、2年2ヶ月で2倍以上に膨らんだ株式市場が、その後半年ほどで3/4程度に縮小し、なかなか膨らまずに、1年半程度もやもやしていた時期、ともいえます。

所感②「だましの景気回復」のたちの悪さ

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※出所:Leading indicators - Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより管理者作成

欧州債務危機の頃のCLIの推移とイベントです。

この時期、オレンジ2012年2月頃を小さなピークに、いわば

「だましの景気回復」

がありました。

実際世界の時価総額はボトムの2011年9月⇒2012年2月の5ヶ月で

46.1兆ドル⇒53.5兆ドル(+16.1%)

という変化を見せています。

景気回復を伴った15%以上の株価上昇です。

ここから行ける!

そう思いたいところ。

ところが、その3ヶ月後の2012年5月には48.3兆ドルまで減少。

2011年4月(ピーク)から2012年5月(ボトム②)までの世界の時価総額のピーク、ボトムの変化をまとめると以下のようになります。

60.3兆ドル(2011.4。ピーク)

⇒46.1兆ドル(-23.5%。2011.9。ボトム①)

⇒53.5兆ドル(+16.1%。2012.2。だましのピーク)

⇒48.3兆ドル(-9.7%。2012.5。ボトム②)

景気後退トレンドの中にこのような一時的な回復期が混じるのはとてもたちが悪いという感じ。

先走った投資家は心を痛めつけられる可能性があります。

2012年の10年前、ITバブル崩壊期の「だましの景気回復」(2002年頃)はより一層たちが悪く、ひどい感じなのですが、それはまた後日の記事で。

おわりに

最後に欧州債務危機の個人的なまとめ。

・欧州債務危機の時期、世界景気は減速トレンドにあった

・減速トレンドは株価の大幅な下落時期を含んで19ヶ月ほど続いた

・だましの景気回復を含んでおり、景気と株価の底打ちかな?と早まってリスクをとりに来た投資家の心を萎えさせる状況があったと推測

この時期の下落幅はそれほど大きなものではありませんが、やはりできれば遭遇したくない、やり過ごすのにそれなりに気力・根性のいる下落・低迷相場だったと思われます。

余談ですが、2011~2012年のいくつかの指標の最低値。

●信用買い残:約1.2兆円(現在は約3兆円)

●東証一部のPBR:0.7倍(現在は1.3倍)

●日本のバフェット指標:0.51(現在は1.24)

●世界のバフェット指標:0.63(現在は0.98)

「暴落後の割安時期≒リーマンショック後」のイメージは強いですが、結果的にこの時期も十分まだ株価が割安な投資のビッグチャンスではあったと思われます。

後付け解釈に過ぎませんが。

次回の本シリーズでは<③:リーマンショックを含む近年最大の景気後退期>を取り上げる予定です。

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※出所:Leading indicators - Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより管理者作成

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