ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

私自身、10年の時間単位で自分の資産形成を考えることができるようになったのは、40歳を過ぎてからだ

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時代や国を問わず、説得力を持ちつづけそうな言葉を拾ってまとめていくシリーズ

「時空をこえたメッセージ」

の21回目です。

今回は2回目の登場、竹中正治氏の言葉です。

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加齢の効用?

年齢を重ねるということは徐々に変化していくことでもあるようです。

例えば二十歳の時は楽しかったことが30歳では楽しくなかったり、二十歳の時には感じられなかった味わいが70歳ではしみじみと感じられたりするものなのでしょう。

年齢を重ねることをネガティブに感じるときもあれば、ポジティブに捉えることもできる場合も。

短期的変化に対する感受性の鈍化、、、慣れ

年齢を重ねることで、個人的には二十歳の頃より明らかに短期的変化に対する感受性は鈍化してきているような気はします。

悪く言えば瑞々しい感性を徐々に喪失してきている・・・

よく言えば鈍感力がついてきた・・・

昔に比べれば、要するに、世の中に慣れてきたという感じ。

・日々の資産評価額の変動でそれほど感情的にならない

・いい時期もあればしんどい時期があって当たり前

的な運用への「慣れ」は長期の資産運用においてポジティブな側面があると思われます。

40歳を過ぎてから・・・

 私自身、10年の時間単位で自分の資産形成を考えることができるようになったのは、40歳を過ぎてからだ。どうやら人間は過去に経験した時間の長さに比例して、将来を展望する時間の長さも伸びるらしい。

★竹中正治『稼ぐ経済学』2013年、光文社 より引用

竹中氏は上記のように書いておられます。

とても味わいを感じる部分なので、少し長くなりますが、上記の続きの部分も引用。

 金融危機や不況、あるいはバブルを初めて経験した若者は、テキストでそれが繰り返し起こってきたものであることを学んでも、初めての経験に衝撃を受け、あるいは夢中になり過ぎてしまう。

 その結果、「この不況は投資のチャンスだ」とか「このバブルは売り抜けるチャンスだ」という実践的な判断がほとんどできない。そうした経験を1回、2回と繰り返し学習しながら、初めて長期の時間軸で投資する実践知が身につく。56歳になった筆者はそう断言できる。

投資を始めて数年で出くわしたサブプライムバブルの崩壊、その後の株価の暴騰と欧州債務危機の到来・・・

まさにバブルとその崩壊を初めて経験したわたしは衝撃を受けました。

市場のドラマティックな変動の中、特に初めの5年くらいは何が何だかよくわからないままで試行錯誤の繰り返しだったような感じ。

上記の文章には長期投資経験者の率直なホンネ、実践知を感じます。

2000万円足りない騒動

年金受給だけでは長期の老後生活は保てない可能性がある。

自分で資産形成することも考えてみては?

おそらくそういう趣旨の金融庁レポートが話題。

わたしが感じることを2点。

①ホンキで資産形成の必要性を感じる人はすでに(とっくに)実行している?

運用は思い通りにいかないことも多く、ストレスを抱える原因にもなる行為。

人にいわれて「じゃあ少し・・・」程度の動機付けで、しんどい時期も必ずやってくる長期運用が成功するのか?

長期運用の成功者は相当な根性と意欲を持ち、努力・研鑽を積み重ねているケースが多いのでは?

積み立て投資などは始めるのは容易ですが、続けるのは意外と難しそう。

また運よく資産額が大きくなってくると「資産評価額が大きく減るかも・・・」という漠然とした不安と付き合わざるを得なくなり、投資の難易度は上がりそう。

 

②投資が難しい理由、運用が失敗しやすい理由の掘り下げが必要では?

①とも関連しますが、個人が行う資産運用、それほど成功確率は高くない、正直難しい、簡単だったらみんなすでに実行、成功しているのではないかとわたしは推測。

何が難しいのか、何が成功確率を下げるのか、乗り越えなければならない壁は主に何か?そこを深く掘り下げた議論があってもいいのでは?

個人的には長期国際分散投資を難しくする主因は

・「不況」「インフレ率上昇期」の到来(リターンが一気に大幅に下がったり、実質的に含み損を抱える可能性。投資の難易度が急に上がる時期が突然やってくる可能性)

・投資家自身の近視眼的な欲望の膨張(短期的に大きく値上がりした銘柄に手を出す、表面的な高利回りに目がくらんだタイプのイールドハント、運用していることが重荷になり早く楽になりたくて投げ売りしてしまう、など)

ではないかと推測。

 

とりあえず、何でも自分で調べ自分でやってみないと何もわからないまま、とわたしは感じます。

 

最後にもう一度、目先の利益や願望に感情が揺らぐときに役立ちそうなベテランの率直な述懐を。

 私自身、10年の時間単位で自分の資産形成を考えることができるようになったのは、40歳を過ぎてからだ。どうやら人間は過去に経験した時間の長さに比例して、将来を展望する時間の長さも伸びるらしい。

 金融危機や不況、あるいはバブルを初めて経験した若者は、テキストでそれが繰り返し起こってきたものであることを学んでも、初めての経験に衝撃を受け、あるいは夢中になり過ぎてしまう。

 その結果、「この不況は投資のチャンスだ」とか「このバブルは売り抜けるチャンスだ」という実践的な判断がほとんどできない。そうした経験を1回、2回と繰り返し学習しながら、初めて長期の時間軸で投資する実践知が身につく。56歳になった筆者はそう断言できる。

★竹中正治『稼ぐ経済学』2013年、光文社 より引用

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