株高をよそにあいかわらずさえない動きのJリート、10月末のデータからその割安割高を探ってみます。
TOPIXと東証リート指数
上記グラフはここ1年の東証リート指数とTOPIXの値動きを比較したものです。
2017年4月頃から、両者のかい離が激しいです。
1年で株価は25%超の上昇、Jリートは-5%以下の下落。
一年前、
株は割高、リートは割安
という判断で
株は売りポジション、リートは買いポジション
でロングショートを作っていたら、悲惨なことになっています。
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Jリートの割安割高
Jリートの割安割高の判断の目安の一つとしてわたしはJリートスプレッドを確認しています。
Jリートスプレッドは
「Jリートの平均利回り-日本国債利回り(10年物)」
のことで、クレジットスプレッドと同じような発想で、「Jリートの利回り」と「長期国債の利回りの差」が
・大きいほどJリートは割安
・小さいほどJリートは割高
とみなす指標です。
※「Jリートスプレッド」は一般的な用語ではありません
※クレジットスプレッドについてはコチラ↓
下記グラフは2001.9月末~2017.7月末のJリートと長期国債の利回りの推移を示したものです。
※出所:JAPAN-REIT.COM、日本 10年 債券利回りのデータより管理者作成 ※国債の長期金利がマイナスの時期は「0%」で表示
Jリートの平均利回りは
・ITバブル崩壊後:約6%
・リーマンショック後:約8%
まで上昇しています。
平均
で6%とか8%です。
リーマンショック後は銘柄によっては利回り10%を超えて12~13%のものもありました。
株式に劣らず、リートを割安時期に買えれば、後々大きな収益が期待はできます。
割安時期に十分な投資資金があるかどうか、そこが問題ですが。
次にJリートスプレッド、
【Jリートの平均利回り-日本国債10年物の利回り】
の推移を確認してみます。
期間は2001.9月~2017.10月末です。
※出所:JAPAN-REIT.COM、日本 10年 債券利回りのデータより管理者作成
この期間の長期平均は「3.2」です。
個人的には割安時期の経験的な目安を概ね「5.0以上」としています。
2017.10月末の値は「4.2」でした。
・Jリートの平均利回り:4.24%
・日本国債10年物の利回り:0.06%
9月末は「4.1」だったので、割安方向に進んでいそうです。
「4.2」は平均値「3.2」を上回るも「5.0」には届かない値であり、個人的には
少し~まあまあ割安?
と推測。
株式市場が盛況の中、Jリートがさえない理由の一部として、
●地銀を中心とした金融機関(日銀除く)によるJリート売り
●Jリートに関わる毎月分配型投信の販売自粛
などの特殊要因がからんでいると推測されます。
詳しくはコチラ↓
個人的にはJリートスプレッドが「5.0」を超える時期の
・NAV倍率が低い銘柄(現時点ですでに「0.9」以下の銘柄が15あります)
・財務、物件の収益性がそこそこ以上の銘柄
・できれば物件が関東に集中しすぎていない銘柄(地域分散の意味で)
・分配金利回りが高い銘柄(例えば8%とか)
などに魅力を感じますが、今は見送り。
引き続き毎月1回程度記事にしていく予定です。
関連記事です。米国のクレジットスプレッドの具体例。