5月末のデータからJリートの割安割高を探ってみます。
TOPIXと東証リート指数
※出所:SBI証券のグラフより管理者作成
上記グラフはここ2年の東証リート指数とTOPIXの値動きを比率で比較したものです。
依然として2年で40ポイント以上の大差がついています。
近年のJリートがさえない理由の一部として、
●地銀を中心とした金融機関(日銀除く)によるJリート売り
●Jリートに関わる毎月分配型投信の販売自粛
などの特殊要因がからんでいると推測されます。
詳しくはコチラ↓
www.yukimatu-value.com
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Jリートスプレッド
Jリートの割安割高の判断の目安の一つとしてわたしはJリートと日本の長期国債利回りの差(スプレッド)を確認しています。
本記事では
「Jリートの平均利回り-日本国債利回り(10年物)」
のことを「Jリートスプレッド」とします。
クレジットスプレッドと同じような発想で、「Jリートの利回り」と「長期国債の利回りの差」が
・大きいほどJリートは割安
・小さいほどJリートは割高
とみなす指標です。
※「Jリートスプレッド」は一般的な用語ではありません
※クレジットスプレッドについてはコチラ↓
過去の利回り「Jリート」と「日本10年国債」
少し古いデータですが、過去の推移の確認です。
下記グラフは2001.9月末~2017.7月末のJリートと長期国債の利回りの推移を示したものです。
※出所:JAPAN-REIT.COM、日本 10年 債券利回りのデータより管理者作成 ※国債の長期金利がマイナスの時期は「0%」で表示
Jリートの平均利回りは
・ITバブル崩壊後:約6%
・リーマンショック後:約8%
まで上昇しています。
最新のJリートスプレッド
次にJリートスプレッド
●【Jリートの平均利回り-日本国債10年物の利回り】
の推移を確認してみます。
期間は2001.9月~2018.5月末です。
※出所:JAPAN-REIT.COM、日本 10年 債券利回りのデータより管理者作成
この期間の長期平均は「3.3」です。
個人的には割安時期の経験的な目安を概ね「5.0以上」としています。
2018.5月末の値は「4.0」でした。
・Jリートの平均利回り:4.08%
・日本国債10年物の利回り:0.04%
2018年4月末は「4.0」だったので、スプレッドは変わらず。
「4.0」は平均値「3.3」を上回るも「5.0」には届かない値であり、個人的には
少し~まあまあ割安?
と推測。
個人的には不景気な時期がくればもっと割安になりそうな気がするので、引き続き静観しています。
あとがき
米国リートを束ねたETF【IYR】の過去1年間の分配金で計算すると【IYR】の利回りは「3.64%」。
米国長期国債利回りは「2.96%」。
その差は「0.68%」。
一つの比較に過ぎませんが、今は米国の方がスプレッドはタイトです。
ただ、【IYR利回り-米国長期国債利回り】は2007年1月、約「-1.7%」まで逆転したことがあります。
サブプライムバブルでIYRが買われ、IYRの利回り(3.16%)の方が、米国債の利回り(4.83%)より1.7%も低い時期がありました。
利回り差で割高割安を見る場合、個人的には割高な時期より、割安な時期を探るのに適しているように感じます。
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