<米国ETF【IYR】と米10年債の利回り差>から米国リートの割高、割安を探ってみます。
※IYR:ダウ・ジョーンズ米国不動産指数に連動する投資成果を目指す米国のETF
【IYR】【米10年債】の利回り差
クレジットスプレッドと同じような発想で、「IYRの利回り」と「米10年債の利回りの差」が
・大きいほどIYRは割安
・小さいほどIYRは割高
とみなす、一つの割安・割高の目安です。
例えば、
A:【IYR】の利回り
B:米10年債の利回り
とします。
①「A:6%」で「B:3%」のとき「A-B=3%」です。
②「A:3%」で「B:3%」のとき「A-B=0%」です。
①の方が②のときより【IYR】は割安と判断します。
※クレジットスプレッドについてはコチラ↓
過去の利回り:「IYR」と「米10年債」
下記グラフは2002年9月末~2018年5月末のIYRと米10年債の利回りの推移を示したものです。
※IYRの利回り:過去一年(4回)分の分配金とIRY月末値から算出
※出所:IYR Historical Prices Yahoo Finance、アメリカ 10年 | アメリカ 10年 債券利回りのデータより管理者作成
IYRの利回りは
・ITバブル崩壊後:約7%
・リーマンショック後:約12%
まで上昇しています。
Jリートの利回りは
・ITバブル崩壊後:約6%
・リーマンショック後:約8%
なので、似たような傾向はあります。
近年の【IYR】【米10年債】の利回り差
次に
●【IYRの利回り-米10年債の利回り】
の推移を確認してみます。
期間は2002.9月~2018.5月末です。
※出所:IYR Historical Prices Yahoo Finance、アメリカ 10年 | アメリカ 10年 債券利回りのデータより管理者作成
この期間で3%を超えているのは2002~2003年頃と2008~2009年だけです。
2%を超える時期に比較的IYRは割安な傾向がありそうです。
個人的には割安時期の経験的な目安を概ね「2.0以上」としています。
※適当な目安なので再現性があるかは不明
※主に「割安な時期を知る目安」として利用。割高な時期のスプレッドはブレが大きい印象
※出所:IYR Historical Prices Yahoo Finance、アメリカ 10年 | アメリカ 10年 債券利回りのデータより管理者作成
この期間の中央値は「1.1%」。
直近の【IYR】【米10年債】の利回り差
2018.5月末の値は「0.8」でした。
・IYRの利回り:3.70%
・米10年債の利回り:2.86%
2018年4月末は「0.9」だったので、スプレッドはやや縮小。
「0.8」は中央値「1.1」を下回る値であり、
少し割高?(割安ではなさそう)
と推測。
あとがき
※出所:IYR Historical Prices Yahoo Finance、アメリカ 10年 | アメリカ 10年 債券利回りのデータより管理者作成
2006~2007年頃、IYRの利回りは米10年債の利回りを1%以上、下回っていました。
初めてこのスプレッドを調べてみたとき、自分の計算違いじゃないかと、何度か確認したのを覚えています。
※2007年1月のIYRの利回り(3.16%)、米国債の利回り(4.83%)
大きなキャピタルゲインが期待できたために、米10年債の利回りを大幅に下回っても、IYRが買われ続け、利回りが低下していった、と推測されます。
米国不動産がバブルだったことを示唆する数値。
<IYRの長期チャート>
※出所:IYR | iShares US Real Estate ETF - Investing.com
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