ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

もしもの円暴落に備える確認作業 2018年8月

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もしもの円暴落があるとわたしは現在の長期投資の投資ポジション(日本円現金100%)では非常に困るので、主に日本のインフレ率のチェックを中心に

「もしも」の兆し

がないか適時確認しています。

円暴落の兆しを知るための指標

わたしは以下の5つの指標を適時確認しています。

①ドル円名目レート

②円の実質実効為替レート

③日本の消費者物価指数

④日本の長期金利(10年国債の金利)

⑤日銀の資産動向

※あくまで個人的な対策に過ぎないので、本当に役立つかはわかりません

それぞれが何を意味するのかの説明は以下の記事を参照ください。

 ここから5つの指標を一つずつ確認していきます。


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「ドル円名目レート」

<ここ5年のチャート>

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※出所: USD JPY 証券株式相場 | ドル 円 相場 - Investing.com

ここ5年は「1ドル=98~124円」程度。

<ここ3ヶ月のチャート>

f:id:yukimatu-tousi:20180828154335p:plain※出所: USD JPY 証券株式相場 | ドル 円 相場 - Investing.com

ここ3ヶ月は「108~113円」程度。あまり動きません。

円の実質実効為替レート

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※出所:日本銀行時系列統計データ検索サイトより管理者作成 ※グラフ期間:1973.1月~2018.7

上記は長期的な視点から「通貨の実力」を示唆する、という人もいる実質実効為替レート(円)の推移グラフです。

1973.1月~2018.7月の

・長期平均:97.4

・中央値:98.6

・ここ10年の最安値:67.9(2015.6月)

・ここ10年の最高値:105.6(2011.10月)

です。

2018年7月の数値は「75.09」であり、前月(74.92)よりやや円高方向にぶれています。

水準としては長期平均「97.4」より大幅に低く

円安

方向にぶれているように推測されます。

※この解釈の仕方はわたしの個人的なものです。一般的ではないと思うので、ご注意ください

急激な動きではなく暴落の雰囲気はありません。

日本の長期金利(10年国債の金利)

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※出所:日本 10年債券利回りチャート  

ここ5年の日本の長期国債利回り推移です。

最近は「0.1%」程度で推移。今のところ0.2%に上昇していく雰囲気ではありません。

日本の消費者物価指数

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※出所:統計局ホームページ/消費者物価指数(CPI) 時系列データのデータより管理者作成 ※2014年4月の消費増税の影響を調整しないデータ

概ねアベノミクス後、2013年1月~2018年7月の

消費者物価指数<生鮮食品を除く総合。前年同月比>

です。

2018年7月は+0.8%(前月比±0%)。

直近ピークは2018年2月の「+1.0%」でここ4ヶ月は「0.7~0.8%」で落ち着いています。

日銀保有資産

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※出所:Bloomberg Markets

過去5年の日銀保有資産の推移です。

2018年8月26日は約548.8兆円。

2018年の日本の名目GDPは推計で555.6兆円(IMF推計)であり、現在の日銀の保有資産額は名目GDPの約98.8%です。

また、約1年前2017.8.20の日銀資産は約510.3兆円なので、この1年で概ね38.5兆円の増加となっています。

2015年、2016年は年間で80兆円を超えていたので、2017年以降、量的緩和ペースは大幅に減速しているといえます。

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※出所:Bank of Japan: Total Assets for Japan | FRED | St. Louis Fedのデータより管理者作成

米国債の利回りとギリシア国債の利回りの確認(ともに10年物)

もしも日本円が暴落するとき、市場はいわゆるリスクオフ一色の相場になると思われます。

そのとき投資家の資金が逃げ込む国債市場の一つは、流動性や信用力の高い米国債ではないかと思います(ドイツ国債などもおそらく同様)。

逆に投資家が資金を引き揚げる国債の一つは、多額の負債を抱え事あるごとに国債利回りが急騰しているギリシアの国債ではないかとわたしは推測しています(ポルトガルなど他にもいろいろあると思いますが)。

 

したがって、もし円に何かあれば、米国債の利回りは下がり(米国債は買われて価格が上がり利回りが下がる)、ギリシア国債の利回りは上がる(ギリシア国債は売られて価格が下がり利回りが上がる)と推測されるので、この意味で米国債やギリシア国債の利回を観察しておくと、役に立つのではないかと思われます。

米国 10年

<ここ5年>

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<ここ3ヵ月>

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※出所:米国 10年 | 米国 10年 債券利回り 

米10年国債利回り、ここ5年では高い水準。利回りの急低下はみられず。

ギリシア 10年

 <ここ5年>

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<ここ3ヵ月>

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ギリシャ 10年 | ギリシャ 10年 債券利回り

ここ3ヶ月では「3.8%~4.7%」程度。

ここ5年でみるととても低い水準で急激なリスクオフの雰囲気は感じられません。

まとめ

2018年7月の消費者物価は+0.8%(前年同月比)。

その他指標からも「円暴落」の気配は特に感じず。

あとがき

<中国10年国債利回り:ここ1年>

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※出所:中国 10年 | 中国 10年 債券利回り - Investing.com

2018年1月には4.1%程度まで上昇、今は3.6%程に低下。

<中国10年国債利回り:2002年以降>

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※出所:中国 10年 | 中国 10年 債券利回り - Investing.comより管理者作成

ざっくりとみると、概ね景気がいいと利回りが高くなり、景気悪化時には低くなる傾向はありそうです。

景気が悪かった2002年、2008年、2016年などに3%を下回っており、中国の長期金利も景気動向を探る、一つの参考データにはなりそう。

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