ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

2018年1月のピークと「今」の比較 ~その2(2/2)~

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2018年8月、S&P500が高値更新したこともあり、2018年1月のピーク時と現在の市場環境について、主に米国市場中心に2回シリーズで観察してみます。

本記事は2回目で、景気、クレジットスプレッドなどの面から。

※1回目はコチラ

2018年1月のピークと「今」の比較 ~その1(1/2)~ 

米国の景気比較

いくつかの景気指標で比較してみます。

米国のCLIf:id:yukimatu-tousi:20180827144948p:plain

※出所:Leading indicators - Composite leading indicator (CLI) - OECD より管理者作成

この指標では2018年3月が直近ピーク。6月まで減速トレンドで1月は6月より低い水準。

CLIについてはコチラ

製造業PMI

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※出所:https://www.markiteconomics.com/Public/Release/PressReleases?language=jaより管理者作成

オレンジのラインが米国です。

この指標の直近ピークは2018年4月で現在は減速トレンド。

1月と7月を比べるとわずかに7月の方が低い値。

製造業PMIについてはコチラ

実質GDP成長率

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※出所:Real Gross Domestic Product | FRED | St. Louis Fedより管理者作成

ここ1年の米国の実質成長率。四半期ごとに前年比でみたデータ。

2018Q2は速報値ですが、おそらく1月より現在の方が経済成長率は加速していると推測されます。

失業率

f:id:yukimatu-tousi:20180827150155p:plain※出所:Civilian Unemployment Rate | FRED | St. Louis Fedより管理者作成

米国失業率は低い水準にあり、2018年1月と比べて7月は低下しています。

景気が加速している、あるいは減速はしていないと推測されます。

米国の失業率についてはコチラ
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世界の景気比較

OECD全体のCLIf:id:yukimatu-tousi:20180827150923p:plain

※出所:Leading indicators - Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより管理者作成

1月に比べて6月の数値は低下、景気は減速気味。

6月は不景気ゾーンに入っています。

直近ピークは2017年11月頃。

OECD全体のCLIについてはコチラ

グローバル製造業PMI

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※出所:https://www.markiteconomics.com/Public/Home/PressRelease/3c106b8d981246c9815f07ad6e5f6b48<PDF>より管理者作成

1月に比べて7月の数値は低下、景気は減速気味。

7月は節目の50を大きく上回っており、景気水準自体は良好。

直近ピークは2017年12月頃。

グローバル製造業PMIについてはコチラ

BBB社債、ジャンク債と米国債とのクレジットスプレッド比較

最後にクレジットスプレッドを確認。

スプレッドが

●大きいほど投資家のリスク許容度が低い

●小さいほどリスク許容度が高い

と推測。

「2018.1.23」⇒「2018.8.23」の比較。

●Baa債と米10年債の利回り差:1.7%⇒1.9%

●ジャンク債と米10年債の利回り差:1.8%⇒2.2%

両者とも8月の方がスプレッドは拡大。

※クレジットスプレッドについてはコチラ

※Baa債と米10年債の利回り差についてはコチラ

※ジャンク債と米10年債の利回り差についてはコチラ

2回目の記事のまとめ

2回目の本記事では景気とクレジットスプレッドを比較してみました。

★全世界の景気

緩やかな減速トレンドにありそう。

ピークは2017年11~12月頃?

1月の方が今より景気はよかったと思われます。

★米国景気

GDPや失業率などの指標では景気は加速傾向で、1月より今の方が数値はいい。

CLIやPMIでは2018年3~4月頃がピークでやや減速気味のトレンド。

★クレジットスプレッド

2つの指標では、1月より8月の方がスプレッドは拡大しており、

1月の方が8月より投資家のリスク許容度が高かった

と推測できそう。

全体のまとめ

①世界全体で見ると、2018年1月のピークから株式市場からのマネー逃避(全世界の時価総額の減少、VTの下落など)が起きている要因として考えられること

「FRBの引き締め政策」と「世界景気の緩やかな減速傾向」

が主な要因か?

引き締め的だった中国が7月頃から徐々に緩和的にシフトした動きもあるようで、今後、世界的に景気回復していくかどうか。

2018年3、4月頃からの米国の製造業PMIやCLIの低下傾向は気になるところ。

②1月の方が8月より割高度合いは強かったか

S&P500のPBRやCAPE、クレジットスプレッドをみる限り、現時点(8/28)では1月の方が割高度合いが強かったように推測されます。

先週から米国市場はすこぶる好調なのですぐに抜いてしまうかもしれませんが。

③今の日本や米国の株価は割高?

5~10年程度の視点でみると、おそらく割高?と推測。

先週末からわたしは日本市場に超短期的には強気ですが、今後数年でみると悲観的。

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www.yukimatu-value.com

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