<米国ETF【IYR】と米10年債の利回り差>から米国リートの割高、割安を探ってみます。
※IYR:ダウ・ジョーンズ米国不動産指数に連動する投資成果を目指す米国のETF
【IYR】【米10年債】の利回り差
<【IYR】【米10年債】の利回り差>はクレジットスプレッドと同じような発想で、「IYRの利回り」と「米10年債の利回りの差」が
・大きいほどIYRは割安
・小さいほどIYRは割高
とみなす、一つの割安・割高の目安です。
例えば、
A:【IYR】の利回り
B:米10年債の利回り
とします。
①「A:6%」で「B:3%」のとき「A-B=3%」です。
②「A:3%」で「B:3%」のとき「A-B=0%」です。
①の方が②のときより【IYR】は割安と判断します。
※クレジットスプレッドについてはコチラ↓
2018年8月末:【IYR】【米10年債】の利回り差からの推測
※出所:IYR Historical Prices Yahoo Finance、アメリカ 10年 | アメリカ 10年 債券利回りのデータより管理者作成
2018年8月末のスプレッドは「0.7%」でした。
・IYRの利回り:3.54%
・米10年債の利回り:2.86%
2018年7月末は「0.7」だったので、スプレッドはほぼ変わらず。
「0.7」はこの期間の中央値「1.1」を下回る値であり、
少し割高?(割安ではなさそう)
と推測。
※IYRの利回り:過去一年(4回)分の分配金とIRY値から算出
参考データ①
※出所:IYR Historical Prices Yahoo Finance、アメリカ 10年 | アメリカ 10年 債券利回りのデータより管理者作成 ※期間:2002.9月~2018.5月末
この期間で利回り差が3%を超えているのは2002~2003年頃と2008~2009年だけです。
この期間の中央値は「1.1%」。
2%を超える時期に比較的IYRは割安な傾向がありそうです。
個人的には割安時期の経験的な目安を概ね「2.0以上」としています。
※適当な目安なので再現性があるかは不明
※主に「割安な時期を知る目安」として利用。割高な時期のスプレッドはブレが大きい印象
参考データ②過去の利回り:「IYR」と「米10年債」
下記グラフは2002年9月末~2018年5月末のIYRと米10年債の利回りの推移を示したものです。
※IYRの利回り:過去一年(4回)分の分配金とIRY月末値から算出
※出所:IYR Historical Prices Yahoo Finance、アメリカ 10年 | アメリカ 10年 債券利回りのデータより管理者作成
IYRの利回りは
・ITバブル崩壊後:約7%
・リーマンショック後:約12%
まで上昇しています。
Jリート平均の利回りピークは
・ITバブル崩壊後:約6%
・リーマンショック後:約8%
なので、似たような傾向はあります。
あとがき
最新の動向。
2018.9.14の<米国ETF【IYR】と米10年債の利回り差>は
<3.58%-3.00%
≒0.6%>
であり、9月は今のところスプレッドが縮小傾向。
米10年債の利回り上昇ほどにはIYRの株価が落ちていない、というところ。
割安な水準(ざっと2%以上?)は遠い雰囲気。
<J-REITと日10年債の利回り差>
は約4.1%(2018.9.14時点)。
日本とはずいぶん差がある印象。
日本は人口減少、経済規模の縮小リスク、天災リスク(地震、火山ほか)などの要因を米国より考慮する必要があると思われ、単純比較はできませんが。
Jリートの多くが人口流入がまだ続く東京圏に集中していること
は、事業者の収益性の面からおそらく必然なのでしょうが、
東京圏に一極集中していること
が効率的であると同時にリスクと捉えられなくもない
というのが個人的な印象。
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