今更ですが、2018年末の一週間は散々な週でした。
信用買い残が平均値に近づく
2018年末の一週間で信用買い残は前週比「−3479億円」と大幅な減少。
上記サイトで確認してみると、週間で信用買い残が3000億円以上減った週は、2001年6月~2018年12月の
894週のうち8週
しかありません。
100週に1週あるかないか、程度の頻度。
今回が9回目。
※信用買い残についてはコチラ
おそらく追証による投げ売りなどもあったと思われる、激しい下落相場。
わざわざ年末に大荒れにならなくても
というのが人情ですが、市場はお構いなしでした。
その結果、信用買い残は約2.5兆円となり、2001年からの長期平均「2.4兆円」程度まで減少。
※出所:トレーダーズ・ウェブより管理者作成 ※期間2001年6月1日~2018年12月28日
ただ、上記グラフからは、2001年以降で日本株が割安だったとき
信用買い残は概ね
1.0~1.5兆円
程度まで減少していたことが確認されます。
12/28の「2.5兆円」というのは長期平均以上の数値であり、中長期的にみると
過去の日本株の割安水準
とはまだかなり距離があると推測。
東証一部PBRは平均値へ
同様に、東証一部PBRも低下し、1999年からの長期平均「1.1倍」程度まで低下。
日本のバフェット指標は高く、日本株は割安な水準とは思えませんが、市場の過熱感はかなり落ち着いてきたように感じます。
典型的な「割高圏」っぽい状況からは脱し、日本株は今
やや割高?
な水準とわたしは推測。
PBRが歴史的に低い水準で、現在が大底?
2019年初、日本株に関して
「PBRが歴史的に低い水準で、現在が大底」
と主張する報道を見かけました。
もちろん
「昨年末~2019年初が絶対に大底でない」
とする明確な根拠はありませんが、個人的には中長期的に大底ではないような気がします。
日経平均のPBRではなく、東証一部PBRに関してですが、「ITバブル崩壊後」「サブプライムバブル崩壊後」「欧州債務危機」の頃、PBRは
★「1.0倍」を下回り
★最低値は「0.7倍」
です。
※出所:その他統計資料 | 日本取引所グループのデータより管理者作成 ※グラフの期間:1999年12月末~2018年12月末
2018年12月のPBRは「1.1倍」なので2008~2009年頃、2011~2012年頃の「0.7倍」にはだいぶ距離があります。
今後どうなるかは不明ですが、もしも米国の景気後退が現実のものとなるとき、日米株価は今より低い水準に落ち、東証一部のPBRも、長期平均程度に過ぎない現在の
「1.1倍」は保てない可能性が高い?
とわたしは推測します。
少なくとも「PBRが歴史的に低い」と主張するには、「0.7~0.9倍」程度まで下がる必要があるようには感じます。
同じものをみてどう感じ、どう判断するかは人それぞれ、自由であり、だからこそ面白味もあるのですが、今後どうなるでしょうか。
関連記事