即時性の高い米国の景気指標として
ECRI景気先行指数
という指数があります。
ECRI景気先行指数とは
米国の民間の調査機関ECRIが毎週発表している指数。
★指数が大きい⇒景気がいい
★指数が小さい⇒景気が悪い
と判断。
1967年以降の週次のデータが公表されています。
※Economic Cycle Research Institute | Public Home | ECRIで入手可
「マネーサプライ」「JOC-ECRI工業市場価格指数」「住宅ローン申請」「債券実質金利」「株価」「債券利回り」「失業給付申請」の7つの要素で指数化される指数。
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ECRI景気先行指数の今
※出所:https://stock-ai.com/eom-1-WLIW.phpより作成 ※グラフの数値は一部未修正で最新の数値と一致せず
2017年1月以降の推移。
最新データ2019.5.3のECRI景気先行指数は「146.9」。
直近ピーク2018.2.2の「152.7」より「-3.8%」の水準。
直近のボトムは2018.12.28の「141.1」。
今年に入って概ね「141⇒149」に上昇し、その後伸び悩み少し低下。
2018年以降のECRI景気先行指数とS&P500
※出所:Economic Cycle Research Institute | Public Home | ECRI、^GSPC : Summary for S&P 500 - Yahoo Financeのデータより管理者作成 ※期間:2018.1~2019.5
2018年1月以降の「ECRI景気先行指数」と「S&P500」の週足データをグラフ化したものです。
タイムラグはありますが3つの山を作ってきた「ECRI景気先行指数」と「S&P500」。
3つめの山のピークは現時点で
★ECRI⇒4月19日
★S&P500⇒5月1日
となっていますが、果たして山は崩れるのか。
少し崩れそうな雰囲気はありますが。
※週次データで両者の期間はほぼ一致していますが、数日の誤差あり
参考データ①:ECRI景気先行指数とS&P500:長期データ
※出所:Economic Cycle Research Institute | Public Home | ECRI、^GSPC : Summary for S&P 500 - Yahoo Financeのデータより管理者作成 ※期間:1990.1~2018.11
米国景気と株価の連動性を如実に語るグラフ。
※参照記事⇒即時性の高い米国景気指標 ECRI景気先行指数
参考データ②:景気後退前にピークアウト?
ECRI景気先行指数は1967年以降の50年以上のデータと歴史があります。
下記グラフは1967~1987年のもの。※出所:https://stock-ai.com/eom-1-WLIW.phpより作成
少しわかりにくいですが、網掛け部分が米国の4度の景気後退期で、4回すべてECRI景気先行指数が景気後退前にピークアウトしています。
同様に下記グラフからは1987~2018年に起きた3回の景気後退期、景気後退の前に指数がピークアウトしていたことがうかがえます。
※出所:https://stock-ai.com/eom-1-WLIW.phpより作成
ただ、後付けの解釈なので、いつがピークかはそのときには不明。
一つの目安。推測の材料。
おわりに
どうせ当たらないので無用な予想はあまり書かないことにしていますが、とりあえず
2018年1月~2019年5月の間に3つの山ができており、最近できた3つ目の山がどうなるのか?
というのが今気になるところ。
「今年の後半から世界景気が回復基調に戻る・・・」
という予測もあるようですし
「ややこじれた感がある米中通商交渉がどこかで一転、合意に向かう」
「FRBの利下げ(観測)」
などはリスクオンの大きな要因になる状況と思われますが、とりあえずわたしはポジションを抑えてじっくり観察メイン。
ヘッジをかけた上でポジションを抑えていると、うまくいってもさほど利益も出ませんが、うまくいかないときのダメージも小さい。
●世界景気のトレンドは基本的に減速傾向と思われるも、減速のペースは鈍化しているか
●株価は割高っぽい(米国など)
●景気悪化時、FRBなどはかなり早めに利下げ、量的緩和、財政出動などで景気対策を打ってきそう
●政治や(もしかすると何年も続くかもしれない)覇権争いらしきものも絡んでくるリスク
「こんな複雑で難しい時期に無理はしたくない」というのが正直なところ。
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