米国債の長短金利差に着目し、米国の景気動向、株式市場の動向を推測する記事です。
米国債の長短金利差を確認するメリット
米国の景気・株式市場の動向を探る役に立つかも?
※当ブログでは「長短金利差」
【米10年国債利回り-米2年国債利回り】
とします。
長短金利差について、詳しくはコチラをどうぞ↓
●米国債 長短金利差 <2017.12.22> - ユキマツの「長期投資のタイミング」
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直近の長短金利差
※出所:アメリカ 10年 債券利回り、アメリカ 2年 債券利回りのデータより管理者作成 ※期間:1995年1月末~2019年4月末
2019年4月末は「0.24%」。
前月末より拡大(3月末:0.14%)。
直近のピークは2010年3月の「2.81%」。
月末値でみると2019年3月末まで9年長短金利差の縮小トレンドが続いていましたが、4月は拡大。
2019.5.23現在、長短金利差は、0.16%であり、4月末(0.24%)と比べて縮小。
※2.33%-2.17%=0.16%
※データ:米国債・金利 - Bloomberg
1995年以降の長短金利差と株価の関係
※出所:アメリカ 10年 債券利回り、アメリカ 2年 債券利回り、^GSPC : Summary for S&P 500 - Yahoo Finance のデータより管理者作成 ※期間:1995年1月~2019年4月
1995年以降の長短金利差と株価(【S&P500】を900で割ったもの)の推移グラフです。
2019年4月末は3月末に比べて
・長短金利差⇒拡大
・株価⇒上昇
し、両者のグラフ上の差はやや拡大。
このグラフでは、タイムラグはありますが、長期のトレンドとして概ね
●株価上昇期⇔金利差縮小トレンド
●株価下落期⇔金利差拡大トレンド
が確認できます。
また、この時期のデータに限れば、どちらかといえば
●金利差が大きい時期⇒株式は比較的割安?
●金利差が小さい時期⇒株式は比較的割高?
ともいえそうです。
※長い目でみた一つの傾向、経験則
参考データ:1980年以降の逆イールドと景気後退
※出所:FRED | St. Louis Fedのグラフより管理者作成 ※期間:1976年~2017.11月
1976年~2017.11月の長短金利差のグラフです。
5回の逆イールド期(短期金利>長期金利の時期)とその後の景気後退期(グレーラインの時期)を示しています。
5回とも景気後退期の前に逆イールドが生じており、景気後退期には株価は大きく下げる傾向があります。
長短金利差が小さいだけでなく、逆イールドになる時期は、景気や株式市場にとって不吉な兆候ではあると思われます。
※参考:米長短金利の逆転は懸念=ダラス連銀総裁 | ロイター
FRB利上げ、利下げ予測
●Countdown to FOMC: CME FedWatch Tool
上記サイトによれば
年内は
・利上げはない(30.7%)
あるいは
・1回以上の利下げ(69.3%)
により、現在「2.25-2.50%」のFF金利は2019年12月に
・「2.25-2.50%」(利上げなし)
か
・「2.00-2.25%以下」
になる可能性が高いとの観測。
先月より大幅に利下げ派の勢いが増しています。
<先月の記事時点での状況>※出所:Countdown to FOMC: CME FedWatch Tool
あとがき
※出所:10-Year Treasury Constant Maturity Minus 3-Month Treasury Constant Maturity | FRED | St. Louis Fed
米国債「10年物-3ヶ月物」の利回り差の長期グラフ。
※出所:米国債・金利 - Bloomberg ※2019.5.23時点
米国債「10年物-3ヶ月物」と「10年物-6ヶ月物」の利回り差はマイナスで逆イールド状態。
・債券市場は総じて将来の景気動向に悲観的
・将来の利下げ折り込み
を示唆しているか。
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