最新の世界景気をCLIで観察してみます。
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①CLI(OECD全体)
※出所:- Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより管理者作成
景気指標の一つ、Composite leading indicator (CLI。OECD景気先行指数)の2017年1月~2019年4月の推移です。
上記はOECD全体のCLIであり、世界全体の名目GDPの6割以上を占める国を網羅した景気指数です。
「100」が「ふつうの景気水準」、数字が大きいほど好況、小さいほど不況を示唆します。
先日更新された2019年4月のデータは「99.03」(前月比-0.06)。
2017年11月:100.64
が直近のピークとなっており、ピークから17ヶ月連続で減速トレンドが続いています。
景気水準自体も
悪い
といえそう。
数値の低下ペースは徐々に鈍化しており、いったん底打ちするのか、また低下ペースが加速するのか、気になるところ。
<参考:近年のCLIと経済イベント>
※出所:- Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより管理者作成 ※数値は概算
1995年1月~2018年12月のCLIの推移と経済イベントです。
2019年4月時点で約「99.0」のこの指標、「チャイナショック」「欧州債務危機」の頃の数値を下回る水準。
ITバブル後(2001~2003年頃)、サブプライムバブル後(2008~2009年頃)の低水準に次ぐ水準。
※数値は随時修正されます
※CLIについて詳しくコチラ↓
●トレンドは回復~少し停滞? ~OECD全体の景気先行指数 2017年11月データ~
②主要国CLI
主要4ヶ国(米中日独)の国別のCLIを確認します。
期間は2016年1月~2019年4月です。
※出所:- Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより管理者作成
<赤:日本 オレンジ:ドイツ 紫:米国 青:中国>
最近では<中国⇒日本⇒ドイツ⇒米国>の順にピークアウト。
4月に関して中国以外、すべて下げています。
中国に関しては先月に続いて2018年12月をボトムに明確に反転しています。
本当に反転しているかもしれませんが、2018年の後半中国景気の反転を示すグラフが数ヶ月描かれ、その後下落トレンドに修正されたこともあり、個人的には即断せず経過観察。
5月の中国の製造業PMIは大きめに低下しており、CLIはどうなるか、気になるところ。
<参考>主要国製造業PMI:2016.1~2019.5
※出所:「https://jp.investing.com/search?q=製造業購買担当者指数 PMI」のデータより管理者作成
2016年1月~2019年5月までの景気動向を示唆する指標、製造業PMIの主要4国の最近の推移です。
「50」を節目に「景気拡大」「景気減速」を示唆。
こちらは「中国⇒ドイツ⇒日本⇒米国」の順にピークアウト。
2019.5月の数値変動は
●米国・ドイツ・日本・中国:すべて低下
※PMIについてはコチラ
参考データ:CLI(OECD全体)と世界の時価総額の比較
<近年の主な世界景気減速期における世界の時価総額>
※出所:https://www.world-exchanges.org/、Leading indicators - Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより作成 ※期間:1995.1~2019.1
<近年の主な世界景気拡大期における世界の時価総額>
※出所:https://www.world-exchanges.org/、Leading indicators - Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより作成 ※期間:1995.1~2019.1
「ストレスを抑えて比較的心地よく投資できる可能性が高い」のは世界景気の減速期ではなく、拡大期か?
おわりに
CLI(OECD全体)の数値は17ヶ月間低下傾向。
グローバル製造業PMIは5月に節目の「50」を下回り景気減速モードに入りました。
雰囲気的にCLIは18カ月、1年半続く景気減速モードになりそうな感じ。
過去の経験則では「1年~2年」程度で景気はいったんはモードチェンジすることが多かったですが、今回はどうなりますか。
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