最新の世界景気をCLIで観察してみます。
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①CLI(OECD全体)
※出所:- Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより管理者作成
景気指標の一つ、Composite leading indicator (CLI。OECD景気先行指数)の2017年1月~2019年8月の推移です。
上記はOECD全体のCLIであり、世界全体の名目GDPの6割以上を占める国を網羅した景気指数です。
「100」が「ふつうの景気水準」、数字が大きいほど好況、小さいほど不況を示唆します。
先日更新された2019年8月のデータは「99.06」(前月比-0.04)。
2017年12月:100.75
が直近のピークとなっており、ピークから20ヶ月連続で減速トレンドが続いています。
景気水準自体は
悪い
といえそう。
<参考:近年のCLIと経済イベント>
※出所:- Composite leading indicator (CLI) - OECD Data、https://www.world-exchanges.org/より作成
※期間:1995.1~2019.8
近年の「CLI」と「世界全体の時価総額」の推移と経済イベントです。
近年の好況、不況の時期、その際の時価総額の動向が端的に確認できます。
※CLIについて詳しくコチラ↓
●トレンドは回復~少し停滞? ~OECD全体の景気先行指数 2017年11月データ~
②主要国CLI
主要4ヶ国(米中日独)の国別のCLIを確認します。
期間は2016年1月~2019年8月です。
※出所:- Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより管理者作成
<赤:日本 オレンジ:ドイツ 紫:米国 青:中国>
最近では<中国⇒日本⇒ドイツ⇒米国>の順にピークアウト。
8月に関して中国以外、すべて下げています。
中国に関しては2019年2月頃をボトムに反転しておりその動きは気になります。
<参考>主要国製造業PMI:2016.1~2019.9
※出所:「https://jp.investing.com/search?q=製造業購買担当者指数 PMI」のデータより管理者作成
2016年1月~2019年9月までの景気動向を示唆する指標、製造業PMIの主要4国の最近の推移です。
「50」を節目に「景気拡大」「景気減速」を示唆。
こちらは「中国⇒ドイツ⇒日本⇒米国」の順にピークアウト。
2019.9月の数値変動は
●米国・中国:上昇
●日本、ドイツ:低下
まちまちの結果。
ドイツ以外は50近辺でうろうろ。
※PMIについてはコチラ
参考データ:CLI(OECD全体)と世界の時価総額の比較
<近年の主な世界景気減速期における世界の時価総額>
※出所:https://www.world-exchanges.org/、Leading indicators - Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより作成 ※期間:1995.1~2019.8
<近年の主な世界景気拡大期における世界の時価総額>
※出所:https://www.world-exchanges.org/、Leading indicators - Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより作成 ※期間:1995.1~2019.8
「ストレスを抑えて比較的心地よく投資できる可能性が高い」のは世界景気の減速期ではなく、拡大期か?
最近では2018年以降の投資ストレスは2016~2017年に比べると増大傾向にあると推測。
おわりに
CLI(OECD全体)の数値は20ヶ月、1年半以上続く低下傾向。
先月とほぼ同じですがシナリオの想定。
①ネガティブシナリオ
今後米国経済の減速傾向が続いた場合、世界景気の減速期間は長期化、景気悪化の程度も深刻化する可能性があるか?
②ポジティブシナリオ
CLIでは中国の数値は2019.2月頃をボトムに反転。
2019.8月、9月はグローバル製造業PMIも下げ止まり。
CLIやグローバル製造業PMIは1年半数値低下トレンドが続いていた。
そろそろ中国を先頭に世界景気がいったんは回復していく?(一時的な回復も含めて)
中銀の緩和姿勢が鮮明、金利は低く、景気が回復していくシナリオと米国景気が悪化し、世界的な株安となるシナリオ、個人的にはどっちに転んでも大けがしないスタンスを継続。
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