2019年10月末のデータからJリートの割安割高を探ってみます。
TOPIXと東証リート指数の確認
はじめに簡単にTOPIXと東証リート指数の推移を確認。
<ここ1ヶ月>
※出所:SBI証券
ここ1ヶ月の東証リート指数とTOPIXの値動きを比率で比較したものです。
9月に続いて10月もTOPIXが優位。
<ここ5年>
※出所:SBI証券
ここ5年でみるとどちらかというとTOPIX優位の時期が多かったですが、最近リートが優位に。
<ここ10年>
※出所:SBI証券
ここ10年では総じてリートが優位。大差がついています。
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Jリートスプレッド
Jリートの割安割高の判断の目安の一つとしてわたしはJリートと日本の長期国債利回りの差(スプレッド)を確認しています。
本記事では
「Jリートの平均利回り-日本国債利回り(10年物)」
のことを「Jリートスプレッド」とします。
クレジットスプレッドと同じような発想で、「Jリートの利回り」と「長期国債の利回りの差」が
・大きいほどJリートは割安
・小さいほどJリートは割高
とみなす指標です。
※「Jリートスプレッド」は一般的な用語ではありません
※クレジットスプレッドについてはコチラ↓
過去の利回り「Jリート」と「日本10年国債」
少し古いデータですが、過去の推移の確認です。
下記グラフは2001.9月末~2017.7月末のJリートと長期国債の利回りの推移を示したものです。
※出所:JAPAN-REIT.COM、日本 10年 債券利回りのデータより管理者作成 ※国債の長期金利がマイナスの時期は「0%」で表示
Jリートの平均利回りは
・ITバブル崩壊後:約6%
・リーマンショック後:約8%
まで上昇しています。
欧州債務危機の2011~2012年頃も5%以上の利回りをつけており、リート収益は株式に比べて比較的安定している点から、リート利回りは
リスクオフ時、株安時期の一つの目安
になりやすい指標の一つと思われます。
経験則に過ぎませんが、リートが叩き売られている時期は、株式などのリスク資産も過小評価され、割安になっている可能性があります。
最新のJリートスプレッド
次にJリートスプレッド
●【Jリートの平均利回り-日本国債10年物の利回り】
の推移を確認してみます。
期間は2001年9月~2019年10月末です。
※出所:JAPAN-REIT.COM、日本 10年 債券利回りのデータより管理者作成
この期間の長期平均は「3.3%」です。
個人的には「割安な時期」の経験的な目安を概ね「4.5%以上」としています。
2019年10月末の値は「3.4%」でした。
※マイナス金利は「0%」で計算
・Jリートの平均利回り:3.40%
・日本国債10年物の利回り:-0.16%
2019年9月末は「3.5」だったので、スプレッドは縮小傾向。
10月末の「3.4」は平均値「3.3」付近で水準としては
ふつう?
と推測。
割安感は感じられません。
また2017年6月以降2年ほど、このスプレッドは
3.9%~4.2%
のレンジでしたが、7月以降レンジを脱出し3.4%まで縮小してきました。
<直近の高分配金銘柄>
※出所:JAPAN-REIT.COM - 全ての投資家のための不動産投信情報ポータル REIT一覧(リートデータ)より作成 ※2019.10.31時点
直近の利回り5%以上の銘柄が6個。前月は7個で減少傾向が続いています。
あとがき
以下、個人的に気にしているJ-リートの利回り。
※()内は約1ヶ月前の利回り
・日本アコモデーションファンド投資法人【3226】:2.89%(2.93%)
・フロンティア不動産投資法人【8964】:4.37%(4.58%)
・日本ロジスティクスファンド投資法人 【8967】:3.55%(3.64%)
・福岡リート投資法人 【8968】:3.96%(4.03%)
・ユナイテッド・アーバン投資法人【8968】:3.16%(3.33%)
5銘柄の利回り平均は「3.55%」。
前月は「3.66%」だったので全体で大きめに利回り低下。
リート市場全体の動向と整合的。
※データ元
★JAPAN-REIT.COM (2018.10.31時点)
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