即時性の高い米国の景気指標として
ECRI景気先行指数
があります。
ECRI景気先行指数とは
米国の民間調査機関ECRIが毎週発表している指数。
★指数が大きい⇒景気がいい
★指数が小さい⇒景気が悪い
と判断。
1967年以降の週次のデータが公表されています。
※Economic Cycle Research Institute | Public Home | ECRIで入手可
「マネーサプライ」「JOC-ECRI工業市場価格指数」「住宅ローン申請」「債券実質金利」「株価」「債券利回り」「失業給付申請」の7つの要素で指数化される指数。
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ECRI景気先行指数の今
※出所:https://stock-ai.com/eom-1-WLIW.phpより作成 ※グラフの数値は一部未修正で最新の数値と一致せず
2017年1月以降の推移。
最新データ2019.11.8のECRI景気先行指数は「146.2」。
直近ピーク2018.2.2の「152.7」より「-4.3%」の水準。
直近のボトムは2018.12.28の「141.1」。
今年に入って概ね
「141⇒149(4月)⇒144(5月)⇒146(7月)⇒143(8月)⇒147(9月)⇒144(10月)⇒146(11月)」
と上下動を繰り返す動き。
2018年以降のECRI景気先行指数とS&P500
※出所:Economic Cycle Research Institute | Public Home | ECRI、^GSPC : Summary for S&P 500 - Yahoo Financeのデータより管理者作成 ※期間:2018.1~2019.11
2018年1月以降の「ECRI景気先行指数」と「S&P500」の週足データをグラフ化したものです。
この期間タイムラグはありますが6つの山を作ってきた「ECRI景気先行指数」と「S&P500」。
最近はレンジ的で上下動の振れ幅が小さめ。
株価は上昇していますが、景気先行指数の上値は重い印象。
※週次データで両者の期間はほぼ一致していますが、数日の誤差あり
参考データ①:ECRI景気先行指数とS&P500:長期データ
※出所:Economic Cycle Research Institute | Public Home | ECRI、^GSPC : Summary for S&P 500 - Yahoo Financeのデータより管理者作成 ※期間:1990.1~2018.11
米国景気と株価の連動性を如実に語るグラフ。
※参照記事⇒即時性の高い米国景気指標 ECRI景気先行指数
参考データ②:景気後退前にピークアウト?
ECRI景気先行指数は1967年以降の50年以上のデータと歴史があります。
下記グラフは1967~1987年のもの。※出所:https://stock-ai.com/eom-1-WLIW.phpより作成
少しわかりにくいですが、網掛け部分が米国の4度の景気後退期で、4回すべてECRI景気先行指数が景気後退前にピークアウトしています。
同様に下記グラフからは1987~2018年に起きた3回の景気後退期、景気後退の前に指数がピークアウトしていたことがうかがえます。
※出所:https://stock-ai.com/eom-1-WLIW.phpより作成
ただ、後付けの解釈なので、いつがピークかはそのときには不明。
一つの目安。推測の材料。
直近ピークは2018.2.2であり今は約1年9ヶ月程度経過。
おわりに
株価ほど上がってこない「ECRI景気先行指数」。
以前も同じことを書いていますが、「ECRI景気先行指数」は
「マネーサプライ」
「JOC-ECRI工業市場価格指数」
「住宅ローン申請」
「債券実質金利」
「株価」
「債券利回り」
「失業給付申請」
の7要素で指数化される指数。
株価は2018年2月を大きく上回っていますが、ECRI景気先行指数が2018年2月より低い位置にある
⇒今は株価以外の要素がトータルで当時より悪い
ということ。
※出所:Real Gross Domestic Product (A191RO1Q156NBEA) | FRED | St. Louis Fedより作成
四半期ごとの米国実質経済成長率も、2018.2Qをピークに最近は低下傾向。
かといって、成長率もECRI景気先行指数の水準も、低すぎる水準ではなさそう。
米国景気は絶好調
というのはいいすぎかと思われますが
誰がどうみても明確な下り坂
というのも苦しく、その間にあるか。
成長率とECRI景気先行指数だけで考えると、
緩やかに減速傾向ではあるが、悪くない景気水準に留まってはいる
というところなのでしょうか。
<ECRI景気先行指数:1999年以降>
※出所:https://stock-ai.com/eom-1-WLIW.phpより作成 ※グラフの数値は一部未修正で最新の数値と一致せず
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