米国リートの割安割高を探ってみる記事。
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米国リートスプレッド
米国リートの割安割高の判断の目安の一つとしてわたしは米国リート(IYR)と米国の長期国債利回りの差(スプレッド)を確認しています。
本記事では
「IYRの平均利回り-米国国債利回り(10年物)」
のことを「米国リートスプレッド」とします。
クレジットスプレッドと同じような発想で、「米国リートの利回り」と「長期国債の利回りの差」が
・大きいほど米国リートは割安
・小さいほど米国リートは割高
とみなす見方です。
※IYRの利回りは過去1年間の分配金で算出
※「米国リートスプレッド」は一般的な用語ではありません
※クレジットスプレッドについてはコチラ↓
最新の米国リートスプレッド
次に米国リートスプレッド
●【IYRの利回り-米国債10年物の利回り】
の推移を確認してみます。
期間は2002年9月~2021年9月末です。
※出所:iShares U.S. Real Estate ETF (IYR) Stock Price, News, Quote & History - Yahoo Finance、アメリカ 10年 債券利回り - Investing.com より作成
2002年9月以降の中央値は約「1.1%」。
2021年9月末の値は約「0.3%」でした。
・IYRの利回り:1.82%
・米国債10年物の利回り:1.49%
2021年8月末のスプレッドは「0.6%」だったので、9月にスプレッドは大きめに縮小。
9月末の「0.3%」は中央値「1.1%」より小さく水準としては
やや割高~割高?
と推測。
参考①:米国リートスプレッドとS&P500の推移
※出所:iShares U.S. Real Estate ETF (IYR) Stock Price, News, Quote & History - Yahoo Finance、アメリカ 10年 債券利回り - Investing.com 、S&P500 インデックス(SPX) - Investing.comより作成
※期間:2002.9~2021.2
あくまで近年の経験則ですが、米国リートスプレッドが概ね2%以上の時期にS&P500は低迷し、割安であったことが多いもよう。
参考②:「米国リート」と「米国10年国債」過去の利回り
下記グラフは2002年9月末~2021年2月末の米国リートと米10年国債の利回りの推移を示したもの。
※出所:iShares U.S. Real Estate ETF (IYR) Stock Price, News, Quote & History - Yahoo Finance、アメリカ 10年 債券利回り - Investing.com より作成
米国リートの利回りは月末値では
・ITバブル崩壊後:約7%
・リーマンショック後:約12%
・欧州債務危機、チャイナショック、コロナショック:4.0~4.5%
まで上昇。
ほとんどの時期で
「米国リートの利回り」>「米国債の利回り」
ですが、主に2005年7月~2007年10月は
「米国リートの利回り」<「米国債の利回り」
となっています。
いわゆるサブプライムバブルの時期。
あとがき
直近の米国リートスプレッド(2021.10.19時点)は約「0.1%」。
9月末からさらに縮小。
・IYRの利回り:1.73%
・米国債10年物利回り:1.67%
ほとんど両者に差がなく、2011年以来の10年ぶりの低水準。
住宅バブルの時期は2年以上
「米国リートの利回り」<「米国債の利回り」
の状態が続いたようなお国柄なので、今後のことは分かりませんが、とりあえずお買い得感は全くなし。
過熱相場気味とはいえそう。
どちらかというと
米国リートを買い増すよりは一部利益確定をしてもいい時期?
というのが個人的な印象。
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