ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

2022年の展望 ~景気~

f:id:yukimatu-tousi:20220203163840p:plain2022年の世界景気について備忘録的に。

CLI

<CLI(OECD全体):2018.1~2021.12>

f:id:yukimatu-tousi:20220118180049p:plain※出所:Leading indicators - Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより作成

上記は景気指標の一つ、Composite leading indicator (以下CLI。OECD景気先行指数)の2018年1月~2021年12月の推移。

上記はOECD全体のCLIであり、世界全体の名目GDPの6割以上を占める国を網羅した景気指数。

「100」が「ふつうの景気水準」、数字が大きいほど好況、小さいほど不況を示唆。

 

最近では2020年4月がボトム、2021年7月頃の「100.8」が直近ピーク。

ピークアウト後、半年近く経過。

最新値2021年12月は「100.5」で、水準としては100以上で低くはない状態。

グローバル製造業PMI

「PMI」は「購買担当者指数」のことで景気指標の一つ。

世界の多くの国で採用されており、毎月更新される即時性の高い便利な指標。

50が分岐点であり

50より大きい⇒景気拡大

50より小さい⇒景気減速

と判断。

製造業PMIは「製造業購買担当者指数」のことで、製造業全般の景気を示唆。

グローバル製造業PMIは「全世界の製造業の景気状況」を示唆する指数。

世界景気動向の目安として、グローバル製造業PMIの推移を確認。

f:id:yukimatu-tousi:20220203163343p:plain※出所:PMI Releasesより作成 ※期間:2018.1~2022.1

直近のボトムはCLIと同様、2020年4月。

こちらのピークは2021年5月頃の「56.0」。

直近の2022年1月は「53.2」で、前月より「-1.1」ポイント。

水準としては悪くないものの、8ヶ月間低下傾向。

まとめ

以上の二つの指標から世界景気を考えると、新型コロナにより2020年4月頃最悪だった世界景気の回復モードは2020年5~7月頃にいったんピークに。

その後景気減速モードにはなっていないが、CLIは約半年、PMIは8ヶ月ほど、数値は低下しており、あまりぱっとしない状況か。

これらの景気指標のピークアウトが

☆即時に株価に影響する場合⇒2018年1月、2020年2月など

☆即時に株価に影響しない場合⇒2014年や2021年など

があり、今のところ今回のピークアウトは即時には株価の大崩れにつながっていないパターン。

ちなみに2014年の場合は上記2指標が2014年にピークアウト後、株価は2015年にピークアウト。

株価は2016年春ごろにかけて大きめの下げに見舞われており、油断は禁物。

 

2022年の世界景気と株価に関しては今後

☆CLIやPMIの低下トレンドが継続する

☆CLIが100を、PMIが50を下回って景気減速感が鮮明になる

なら株価は軟調になりやすい?

と推測。

ごくシンプルに考えるなら世界景気はパッとしない状況が継続しており、株価はさほどダメージを受けていないので、当面は要警戒の時期か。

 

一方で低下が続いていた中国のクレジット・インパルスに2021年10月頃底打ちの兆しがあること着目し、今年の秋ごろをボトムとして株価の回復を期待する、という見方もある模様。

この見方を妄信すると

あと半年以上、今年の10月頃まで下げ相場となる可能性がある

ことになりますが、はたして。

※未来のことは不明。投資は自己責任で

※参考記事

中国経済の先行指標、底打ちも: 日本経済新聞

半サイクル違って動く中国 ~クレジットインパルスを追いかけてしまう可能性~ | 藤代 宏一 | 第一生命経済研究所

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