ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

商品価格が大きく上がるとき 消費者物価は下がりにくそうで 金融引き締めが長引くかもしれない

商品価格(CRB指数)と関連させて米国消費者物価を語る記事。


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CRB指数とは

※出所:CRB指数│初めてでもわかりやすい用語集│SMBC日興証券

原油、金、トウモロコシなど現在は19品目で構成される国際商品価格指数。

いわゆるコモディティ(商品、モノ)全般のドル建て価格の指数。

CRB指数の推移と前年同月比

※出所:TR/CC CRB インデックス(TRCCRB) - Investing.com

1994年2月以降のCRB指数の長期チャート。

今は1994年以降で3~4番目に高い水準。

 

次にCRB指数の前年同月比の長期チャートを確認。

※出所:TR/CC CRB インデックス(TRCCRB) - Investing.comより作成 ※1995.2~2022.5

この期間、CRB指数は前年同月比で「-50%~+70%」の範囲にあり。

最新値、2022年5月は前年同月比で+53.9%。

この27年間で4回ほどしかない+40%以上の時期の中でもかなりの高水準にあり、現在の商品価格がここ数十年の中では急速に高騰している時期であることを示唆するチャート。

米国消費者物価指数

1995年2月以降の米国消費者物価、前年同月比のチャート。

※出所:Consumer Price Index: All Items for the United States (USACPIALLMINMEI) | FRED | St. Louis Fed

この期間では最も高い物価上昇率。

物価上昇もあってバイデン政権の支持率は上がらず、FRBが利上げや量的引き締めを実行中。

CRB指数と米国消費者物価指数

次に、CRB指数と米国消費者物価の前年同月比を同時に確認。

※出所:TR/CC CRB インデックス(TRCCRB) - Investing.comConsumer Price Index: All Items for the United States (USACPIALLMINMEI) | FRED | St. Louis Fedより作成 ※1995.2~2022.5 ※消費者物価は2022.4まで

赤が消費者物価で数値は左。

黒がCRB指数で数値は右。

パッとみ、両者の相関はそこそこ高そう。

実際1995.2~2022.4のデータで両者の相関係数を求めると「0.74」。

※出所:相関係数の意味と求め方 - 公式と計算例

あくまで目安ですが「0.74」というのは「強い正の相関」で

☆CRB指数(前年同月比)が上昇すれば米国消費者物価指数(前年同月比)も上昇しやすい

☆CRB指数(前年同月比)が低下すれば米国消費者物価指数(前年同月比)も低下しやすい

という傾向がありそう。

つまりほぼリアルタイムで確認できるCRB指数(前年同月比)の動きをみていれば、米国消費者物価指数(前年同月比)の動きも、ある程度傾向はつかめる可能性があるということ。

 

ちなみに2021.6月末のCRB指数と2022.6.9のCRB指数を比較すると「+54.5%」であり、2022年4月の「+54.3%」5月の「+53.9%」とあまり変わらず、べらぼうに高い水準が維持されています。

この数字だけをみていると、

2022年の5月や6月の米国物価が急速に大きく下がり出す

可能性は低そう。

おわりに

米国消費者物価の説明。

※出所:米国消費者物価指数/CPI│初めてでもわかりやすい用語集│SMBC日興証券

消費者物価指数にはモノだけでなく家賃やサービスを含めた約200項目の価格変化が反映されるそうです。

よって消費者物価指数は必ずしもCRB指数のような商品価格だけに影響されるものではないようですが、両者の前年同月比データでみると高い相関があるようで、個人的には米国物価を考えるうえで役立つ指標として今後もデータを入手しやすいCRB指数の動向を追っていく予定。

また下記記事によれば、「住居費」は米国消費者物価の3割ほどを占め、「住居費」は「住宅価格」の動きにおおむね12~18ヶ月遅行することが多いとのこと。

米国消費者物価指数 今後は「家賃」がカギに

・2022年3月で前年同月比で20%以上上昇している「住宅価格」が今後「住居費」を通じて米国消費者物価の下支えする可能性があり

・物価が下がらなければ金融引き締めが続く可能性が高まり、市場にとってネガティブ要素となる

わけで、この観点で、米国の「住宅価格」の今後もとても気になるところ。

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