ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

目先のFRBは投資家の敵であり、味方でもある

金融引き締めを続けるFRBについて、雑感。

目先のFRBは投資家の敵

利上げを繰り返し、量的引き締めを続ける、目先のFRBは投資家の敵か味方かと問われれば、一般的には、敵だと思われます。

景気が悪くなれば物価は下がりやすいので、今は景気より物価抑制を重視。

金融引き締めにより景気を悪くして目先の企業業績を減らし、株価を押し下げようとしているようにしか見えません。

なので、今の今、投資家の敵か味方かと問われれば、敵ではないかと思います。

もしFRBがしゃかりきに緩和政策を続けたら

もし今FRBが金融引き締めをせず、しゃかりきに緩和政策を続けたらどうなるか。

米国物価上昇率の上昇幅がさらに大きくなり、金利は急上昇、世界的な通貨価値の低下と金利の急上昇により、社会や経済が大混乱。

社会経済的余力の小さい国々でより大きな混乱が生じ、最悪、内戦や国同士の紛争が増加し、それがさらなる社会や経済の混乱に拍車をかける悪循環に陥るかもしれません。

明確な予測は立ちませんが、とりあえず世の中の秩序に対して大きな不安と混乱が生じるリスクは高まりそうで、結果的に投資家にとっても長期的にはプラスにはならなさそう。

FRBは戦う相手ではなく、味方につける相手

よって個人的には現在の引き締め的な政策に文句はなく、また、わたしの一存で行動変容を促すことが不可能なFRBと戦う気もなく、長期投資のポジションはごくわずか。

「景気が上向いている中での金融引き締め状態」ならまだリスク資産のポジションを増やす価値はありそうですが、

☆世界的に景気が悪化しつつあり

☆欧米の中銀が引き締め的であり

☆株価水準も安いとも思えず

☆投資家のリスク許容度と連動しやすい米国のマージンデットや日本の信用買い残(2市場)も明確にピークアウトしている

こんな状況では、個人的には大きくベットする必要がない、わざわざこの投資環境とバトルする必要がないと感じます。

投資家個人の一存で行動変容を促すことが不可能なFRBは戦う相手ではなく、味方につけるべき相手であり、投資家がFRBの態度に合わせて動くべきで、FRBが勝手に投資家に合わせてくれると期待しない方が無難、と思います。

目先のFRBは投資家の敵であり、味方でもある

例えば今投資資産の9割を米株に投資していれば、FRBは敵にしかなりませんが、9割現金のポジションだったり空売り派から見れば、今のFRBは「味方」でもあります。

将来景気が底打ちし、FRBのスタンスが緩和的になる時期までに、十分に株価が下がってくれれば、9割キャッシュ派にとっては、FRBは株価を割安にしてくれるありがたい存在になりますし、リスク資産空売り派からすれば、今のFRBやECBは近年では最強のサポーターなのかもしれません。

わたしは日本の個別株で8年ロングショートをやっており、常々買いの立場にも売りの立場にも身を置いていると、

物事の評価は立場によって正反対になる

ということが実感として身に染みてきています。

自分でコントロールできない相手から自分が何らかの利益を引き出そうとするのなら、相手が自分のやり方に合わせてくれるのを期待するのではなく、相手に動きに自分が合わせるというスタンスを徹底するしかない、よって

目先のFRBは投資家の敵であり、立場を変えれば味方でもある

と感じます。

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