減速モードに入った世界景気について。
グローバル製造業PMI
「PMI」は「購買担当者指数」のことで景気指標の一つ。
世界の多くの国で採用されており、毎月更新される即時性の高い便利な指標。
50が分岐点であり
●50より大きい⇒景気拡大
●50より小さい⇒景気減速
と判断。
製造業PMIは「製造業購買担当者指数」のことで、製造業全般の景気を示唆。
グローバル製造業PMIは「全世界の製造業の景気状況」を示唆する指数。
世界景気動向の目安として、グローバル製造業PMIの推移を確認。
※出所:PMI Releasesより作成 ※期間:2018.1~2022.9
直近ピークは2021年5月の「56.0」。
最新値2022年9月は「49.8」で、前月より「-0.5」ポイント。
節目の50をついに下回り、世界景気は減速モードへ。
PMI数値は16ヶ月間低下傾向。
<参考:グローバル製造業PMI、2011年~>
※出所:https://www.pmi.spglobal.com/Public/Home/PressRelease/3760cf0d3e5f449dbfe06bdb7ca1933dより作成
今回は「コロナバブル崩壊後のインフレ不況」とでも命名されるでしょうか。
グローバル製造業PMIとS&P500
※出所:PMI Releases、S&P500 過去のレート - Investing.comより作成
米国の場合ISM製造業景況感指数でもいいんでしょうが、2018年以降のグローバル製造業PMIとS&P500の比較。
☆PMIのピーク:2021年5月
☆S&P500のピーク:2022年1月
今回は8ヶ月ほどの長いタイムラグがありましたが、PMIのピークアウトは優れた警告となることも(必ずではない)。
今後の世界景気
個人的にはしばらく悲観的。
ペースは緩やかになっても中銀の引き締め政策がしばらく続きそうで、金融引き締めは景気減速を目的に行っていることでもあるので、それが世界的な景気減速の最大要因か。
また資産インフレが徐々に崩壊中、逆資産効果でこれも景気に悪影響となるか。
底打ちの時期に関して、先のことなので不明ですが、景気のピークから1年半、遅くても3年で反転することは多く、現在ピークから16ヶ月ほど経過していることを考慮すると、
あと2~20ヶ月くらいでどこかで反転してくれる
といいなあ、という感じ。
おわりに
それぞれのピーク時期。
☆世界景気(グローバル製造業PMI):2021.5月
☆米国の株価(S&P500):2022.1月
☆米国住宅価格(S&P/Case-Shiller 20-City):2022.6月
☆商品価格(CRB指数):2022.6月
<S&P/Case-Shiller 20-City:ここ1年>
※出所:S&P/Case-Shiller 20-City Composite Home Price Index (SPCS20RSA) | FRED | St. Louis Fed
米国住宅価格(S&P/Case-Shiller 20-City)は6月に天井をつけた雰囲気。
最新値2022年7月は前月より下落しました。
7月より数か月経過した今はさらに下げていそう。
それでもまだ下げ出したばかり。
☆世界景気(グローバル製造業PMI)
☆米国の株価(S&P500)
☆米国住宅価格(S&P/Case-Shiller 20-City)
☆商品価格(CRB指数)
こういった指標の下げ止まりや中銀動向の転換、株価水準、投資家リスク許容度の観察などで、あと2~20ヶ月くらい、ベターな買い時を探る時期となりそう。