減速感強まる世界景気と株価について。
グローバル製造業PMI
「PMI」は「購買担当者指数」のことで景気指標の一つ。
世界の多くの国で採用されており、毎月更新される即時性の高い便利な指標。
50が分岐点であり
●50より大きい⇒景気拡大
●50より小さい⇒景気減速
と判断。
製造業PMIは「製造業購買担当者指数」のことで、製造業全般の景気を示唆。
グローバル製造業PMIは「全世界の製造業の景気状況」を示唆する指数。
世界景気動向の目安として、グローバル製造業PMIの推移を確認。
※出所:PMI Releasesより作成 ※期間:2018.1~2022.11
直近ピークは2021年5月の「56.0」。
最新値2022年11月は「48.8」で、前月より「-0.6」ポイント。
3ヶ月連続で節目の50を下回り、世界景気は明確な減速モードへ。
PMI数値は18ヶ月間低下傾向。
グローバル製造業PMIとS&P500
※出所:PMI Releases、S&P500 過去のレート - Investing.comより作成
※期間:2018.1~2022.11
2018年以降のグローバル製造業PMIとS&P500を併記。
PMIはグレーで左軸。
株価はブルーで右軸。
☆PMIのピーク:2021年5月
☆S&P500のピーク:2022年1月
今回は8ヶ月ほどの長めタイムラグでともにピークアウト。
数値上、株はギザギザを作りながら低下していますが、PMIはほぼ一本調子で低下中。
今後の世界景気
今後の世界景気に関して。
世界景気は悪化が止まらず、引き続き個人的にはしばらく悲観的。
底打ちの時期に関して、経験的には景気のピークから1年半、遅くても3年(36ヶ月)で反転することが多く、現在ピークから18ヶ月ほど経過していることを考慮すると、
長くてあと1年半以内に(2024年の春ごろまでに)、おそらくは2023年中にさすがにどこかで反転するのでは?
と期待。
おわりに
本ブログでは何度も書いていて今更ですが、基本的に利上げrやQTなどの金融引き締めは景気を悪くするために行うもの。
今回は景気を悪くして上がり過ぎた物価を抑制したい、だから金融引き締めを行っている。
12月(15日)もFRB、ECB、ともに利上げ予定で両者とも0.5%程度の利上げ幅の見込み(利上げで政策金利は米国4.5%、ユーロ圏2.5%程度になりそう)
米国やユーロ圏の失業率はまだ低く、労働市場には目立って波及していませんが、少なくとも製造業は景況感が悪化し利上げ効果が確認される状況。
今の状態から中銀の金融緩和政策が発動されるならまた話は違いますが、今は世界景気が明確に悪化しつつある中で金融引き締め政策がとられています。
しかもリバウンドでそこそこの株価水準まで戻してしまっている。
買い方には分が悪そうな局面。
今後数カ月以内にギザギザの株価が景気の動きになびきそうな雰囲気。
※個人の感想です。投資は自己責任で