中国は再び世界景気をけん引するか
をテーマに3つの記事を掲載予定。
今回は1つ目。
中国の景気底打ちは世界に先んじる?という近年の経験
景気先行指数(CLI,https://www.oecd.org/tokyo/statistics/cli-japanese-version.htm)という景気指標によれば、近年の3回の世界的な景気後退期、中国は全世界(ここではG20)に先駆けて景気が底打ちしているもよう。
<2001年頃の景気後退>
青が中国。赤がG20。
中国の底打ちがやや先行。
※CLIは「100」が中立
数値増加⇒景気拡大
数値低下⇒景気減速
<2008年頃の景気後退>
中国の底打ちが先行。
<2020年の景気後退>
中国の底打ちが先行。
この3度の経験から
中国景気底打ち⇒世界景気底打ち⇒株式投資への追い風?
という考え方もあるかと。
中国景気底打ち、世界景気も底打ち?
最近の中国とG20のCLI。
両者ともまだ節目の100には届いていないものの、青の中国は2022年7~10月頃をボトムに底打ちしているようにも見えます。
赤のG20はほぼ横ばいですが2022年11月~2023年3月頃がボトムに見えなくもない。
※ここまでの表は下記サイトより作成
Leading indicators - Composite leading indicator (CLI) - OECD Data
中国の実質GDP(前年同期比)
※出所:中国 - GDP年間成長率 | 1989-2023 データ | 2024-2025 予測
ここから中国のポジティブな指標の確認。
上記は中国のGDP(前年同期比)。
2023年1Qは+4.5%。
2022年2Qをボトムに底打ちしているようにも見えます。
中国のM2の伸び(前年比)
※1998年~
金融機関や中央政府を除く民間部門で流通する貨幣の量を指すマネーストック(マネーサプライ)。
2023年4月のM2は前年比+12.4%であり最近では高水準。
M2前年比が突出して高水準となるのはマネー供給が求められる時期が多く、M2前年比が高水準になった後、景気回復となる場合が多く、この意味で今後の景気回復に期待が持てるか。
住宅価格指数(前年比)
※出所:中国 住宅価格指数 (前年比)
中国 住宅価格指数 (前年比)は中国の70の大・中都市における住宅価格を前年と比べた変化率。
2022年5月以降前年比マイナスでしたが、2022年11~12月をボトムに下落幅が減少中。
こちらも今後に期待が持てるポジティブなデータ。
「中国は再び世界景気をけん引するか <2/3>」に続く