商品価格(CRB指数)前年比データから、「前年比でのアメリカ消費者物価」は2023年8月まで、特に5月まで低く出やすそうと推測する記事。
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前年比の米国消費者物価、商品価格
※出所:TR/CC CRB インデックス(TRCCRB) - Investing.com、Consumer Price Index for All Urban Consumers: All Items in U.S. City Average (CPIAUCSL) | FRED | St. Louis Fedより作成
※期間:1995.2~2023.5
上記はCRB指数(以下:CRB)と米国消費者物価(CPI)の前年同月比の1995年2月以降の推移。
CRBはいわゆるモノの値段をドル建てで指数化したもので、モノの価格が上がれば物価も上がりやすいわけで、両者にはそれなりの相関あり。
この期間のCRBとCPIの前年比データ同士の相関係数は「0.69」で強い正の相関。
前年比でCRBが上昇していればCPIも上がりやすく、その逆もしかり、という関係性。
2020年以降のCRB、CPI前年比
※出所:TR/CC CRB インデックス(TRCCRB) - Investing.com、Consumer Price Index for All Urban Consumers: All Items in U.S. City Average (CPIAUCSL) | FRED | St. Louis Fedより作成
ここ3年半ほどのCRB、CPI前年比。
コロナでCRBは36%下落、CPIは+0.2%まで低下。
その反動や現金給付、金融緩和、景気回復等でCRBは大きく上昇、ピークは前年比+70%。
2021年3月~2022年8月までは+30%以上をキープ。
CPIも2022年6月の+8.9%まで上昇を続けました。
その後、両者ともに低下傾向。
2023年以降はCRBの上昇率は10%以下となり、3月は前年比マイナス、5月は-20%水準。
CPIも直近で+4.1%まで低下してきました。
CRBの低下傾向がCPIの低下にも一役買っていそうな推移。
2022年3~8月のCRBは高かった
※出所:TR/CC CRB インデックス(TRCCRB) - Investing.comより作成
上記は2021年以降のCRBの月間データ。
今はざっと「263」。
月末値でみると昨年3~8月は「290」以上、特に4月、5月は「300」を超える高い水準でした。
よって、今後のCRBの変動次第ではあるのですが、CRBが今くらいの水準であれば、8月までは前年比で10%程度のマイナスとなり、これは米CPIにとって無視できない低下要因となる可能性があります。
そんなわけで、
アメリカ物価(前年比)は 2023年3月~8月まで 特に4月、5月は 低く出やすそう
と推測する次第。
これは
2023年9月以降のCPIが(前年比で8月までより)下がりにくくなる
可能性を示唆。
そしてそれを市場が嫌気する可能性もあり。
少し先の話ですが、個人的には今年後半気になるポイント。
※あくまで「CRB目線でCRBが今くらいの水準を保った場合」の推測。家賃やサービス価格などCPIの他の要因は考慮せず。先のことは不明