ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

モノの値段 5月は前年比 -19.8%

商品価格(CRB指数)前年比データから、「前年比でのアメリカ消費者物価」は2023年8月まで、特に5月まで低く出やすそうと推測する記事。


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前年比の米国消費者物価、商品価格

※出所:TR/CC CRB インデックス(TRCCRB) - Investing.comConsumer Price Index for All Urban Consumers: All Items in U.S. City Average (CPIAUCSL) | FRED | St. Louis Fedより作成

※期間:1995.2~2023.5

上記はCRB指数(以下:CRB)と米国消費者物価(CPI)の前年同月比の1995年2月以降の推移。

CRBはいわゆるモノの値段をドル建てで指数化したもので、モノの価格が上がれば物価も上がりやすいわけで、両者にはそれなりの相関あり。

この期間のCRBとCPIの前年比データ同士の相関係数は「0.69」で強い正の相関。

前年比でCRBが上昇していればCPIも上がりやすく、その逆もしかり、という関係性。

2020年以降のCRB、CPI前年比

※出所:TR/CC CRB インデックス(TRCCRB) - Investing.comConsumer Price Index for All Urban Consumers: All Items in U.S. City Average (CPIAUCSL) | FRED | St. Louis Fedより作成

ここ3年半ほどのCRB、CPI前年比。

コロナでCRBは36%下落、CPIは+0.2%まで低下。

その反動や現金給付、金融緩和、景気回復等でCRBは大きく上昇、ピークは前年比+70%。

2021年3月~2022年8月までは+30%以上をキープ。

CPIも2022年6月の+8.9%まで上昇を続けました。

その後、両者ともに低下傾向。

2023年以降はCRBの上昇率は10%以下となり、3月は前年比マイナス、5月は-20%水準。

CPIも直近で+4.1%まで低下してきました。

CRBの低下傾向がCPIの低下にも一役買っていそうな推移。

2022年3~8月のCRBは高かった

※出所:TR/CC CRB インデックス(TRCCRB) - Investing.comより作成

上記は2021年以降のCRBの月間データ。

今はざっと「263」。

月末値でみると昨年3~8月は「290」以上、特に4月、5月は「300」を超える高い水準でした。

よって、今後のCRBの変動次第ではあるのですが、CRBが今くらいの水準であれば、8月までは前年比で10%程度のマイナスとなり、これは米CPIにとって無視できない低下要因となる可能性があります。

そんなわけで、

アメリカ物価(前年比)は 2023年3月~8月まで 特に4月、5月は 低く出やすそう

と推測する次第。

これは

2023年9月以降のCPIが(前年比で8月までより)下がりにくくなる

可能性を示唆。

そしてそれを市場が嫌気する可能性もあり。

少し先の話ですが、個人的には今年後半気になるポイント。

※あくまで「CRB目線でCRBが今くらいの水準を保った場合」の推測。家賃やサービス価格などCPIの他の要因は考慮せず。先のことは不明

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