世界景気の現状について。
グローバル製造業PMI
「PMI」は「購買担当者指数」のことで景気指標の一つ。
世界の多くの国で採用されており、毎月更新される即時性の高い便利な指標。
50が分岐点であり
●50より大きい⇒景気拡大
●50より小さい⇒景気減速
と判断。
製造業PMIは「製造業購買担当者指数」のことで、製造業全般の景気を示唆。
グローバル製造業PMIは「全世界の製造業の景気状況」を示唆する指数。
世界景気動向の目安として、グローバル製造業PMIの推移を確認。
※出所:PMI Releasesより作成 ※期間:2018.1~2023.8
直近ピークは2021年5月の「56.0」。
直近ボトムは2022年12月と2023年7月の「48.6」。
最新値2023年8月は「49.0」で、前月より「+0.4」ポイント。
節目の50を6カ月間下回る。
グローバル製造業PMIとS&P500
※出所:PMI Releases、S&P500 過去のレート - Investing.comより作成
※期間:2018.1~2023.8
2018年以降のグローバル製造業PMIとS&P500を併記。
PMIは青で左軸。
株価はオレンジで右軸。
この期間の
☆PMIのピーク:2021年5月
☆S&P500のピーク:2022年1月
今回は8ヶ月ほどの長めタイムラグでともにピークアウト。
その後
☆PMIのボトム:2022年12月、2023年7月
☆S&P500のボトム:2022年9月
となっており、株価とPMIの乖離が目立つ状況。
個人的には2023年3月の銀行破綻を受けてのFRBの金融緩和が株価ブーストの主な要因と推測。
JPモルガン・グローバル総合PMIの確認
ここまではグローバル製造業PMIの話。
サービス業と製造業をあわせた「JPモルガン・グローバル総合PMI」という指標もあり、簡単に確認。
※出所:https://www.pmi.spglobal.com/Public/Home/PressRelease/75cbae50d47645928a2dca6d7b8dc9ac
この指標、2008年以降では3回ほど、節目の50を下回り、不況を示唆したことがあります。
1回目は2008~2009年の世界金融危機、2回目が2020年のコロナ不況、3回目が2022年の秋ごろ、インフレ+利上げで株価が低迷していた時期。
ほかにも好不況の分かれ目の「50」に2度接近。
1度目は2012年の欧州債務危機、2度目は2015~2016年ごろのチャイナショック。
世界景気動向をそれなりに反映してきた指標といえます。
最新の2023.8月データは「50.6」で7月の「51.6」より低下、節目の50に接近。
世界全体でみると今は好況とはいいがたく、
芳しくなかった製造業をコロナ後リオープンなどで好調だったサービス業がカバーしていたものの、サービス業の勢いも失われつつある
状況であることははっきりと表れており、4度目の50割れがあるか、気がかりな状況。
☆50割れで株価が大きめに下げる展開
☆それをまた中銀の緩和でカバーする展開
なども個人的には想起される状況。