ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

+13万人の衝撃

米国の「失業保険継続受給者数」が10月に急増した話。

失業保険継続受給者を確認する意義

<失業保険継続受給者:1967年~:グレーは景気後退期>

※出所:Continued Claims (Insured Unemployment) (CCSA) | FRED | St. Louis Fedより作成

1967年以降の景気後退期には必ず失業保険継続受給者が急増しています。

経験的には

景気後退期=失業保険継続受給者が急増の時期

であり、失業保険継続受給者の動きをみることで、米国が景気後退に向かっているかどうか判断する目安になる可能性があります。

最近の動向

<失業保険継続受給者:ここ2年半>

※出所:Continued Claims (Insured Unemployment) (CCSA) | FRED | St. Louis Fedより作成

直近のボトムは2022年9月の約129万人。

2022年12月には165万人まで30万人以上も急増しました。

このままいけば2023年には景気後退か、という推測が生まれたのも無理もない動き。

その後も増加は続き、2023年4月には186万人まで増加。

しかし、3月に連鎖的な米銀破綻が起き、その対応策として種々の金融緩和政策がとられ、米景気は持ち直し、失業保険継続受給者も減少に転じました。

2023年9月には166万まで減少。

☆2022.9:129万人(直近ボトム)

☆2023.4:186万人(約7ヵ月で+57万人)

☆2023.9:166万人(約5ヵ月で-20万人)

☆2023.10:183万人

9月前半までは減少傾向だったのですが、直近では増加。

10月月間の増減でみると10月は+13万人。

月間で13万人の増加はけっこう大きな動き。

4月の186万人を超えてくると再び増加トレンドという見方に。

1980年以降の景気後退開始時の失業保険継続受給者数

1980年以降では失業保険継続受給者が240~290万人程度で景気後退が始まっています。

☆1981年:290万人

☆1990年:240万人

☆2001年:250万人

☆2007年:260万人

※数値は概算値 ※コロナ不況は除外

今は約180万人。

あと60~110万人の増加で、経験的には不況到来確率の高い状況になります。

もし10月のような増加傾向が継続し、今後ひと月13万人平均で増加すれば、あと5~8ヵ月程度でその水準に到達します。

ただの試算であり、ひと月13万人はかなりハイペースで実現確率は全く不明ですが。

個人的な勘

前回記事のPMIの数値もそうですが、ネガティブな数値が確認できても、必ずしも今後の景気トレンドを把握できるわけでもなく、数値に振り回され判断を大いに誤ることも。

昨年10~12月頃の動きに似た動きとなれば、たぶん、わたしは昨年同様また指標に騙され過度にネガティブになってしまう。

そんな反省もあり10月の失業保険継続受給者の急増を受けても「さあ株価指数を空売りだ!」という気分にはなりませんが、とりあえず継続観察は続ける予定。

もしも今後失業保険継続受給者が200万人を超えても増え続けるなら少しずつ景気後退警戒モードに入ってもいいのかも。

そうでなければむやみに怖がらない方がいいのかも。

個人的な勘として、来年秋の大統領選を考慮し、是が非でも、景気後退時期を遅らせたいという米政権の意向があると推測。

よって、景気後退時期は2024年の前半ではなく後半か、2025年前半の確率が高そう、と推測。

参考

www.yukimatu-value.com

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