「株式信用取引の是非」についてさまざまな意見があるようなので、個人的な見解を書いてみる記事。
今回は信用取引の<恐ろしさ>について。
空売りの恐怖
あまり深く考えずに時価総額100億円以下の小型株を空売りして、一日で15~20%程度急騰し、さらなる急騰の恐怖におびえ、泣く泣く損切りしたことが何度かあります。
急騰した理由は
☆突然の業績上方修正情報のリリース
☆証券会社がレーティングを上げた
☆他の企業との提携などのポジティブニュース
などだったと思いますが、小さい企業の株価は何らかの変化に対してひどく過剰に反応することがあり、信用取引で安易に超小型株を空売りすると運が悪ければ瞬殺されることも。
2023年の悲劇
幸いわたしは関わっていませんが今年あった悲劇。
ビューティ花壇(3041)の株価は今年4月~5月にかけて1カ月半程度で8.3倍に暴騰しました(290⇒2409)。
特に5/9~5/17の7営業日に関しては売り方にとっては悲惨な事態となっています。
※出所:(株)ビューティ花壇【3041】:株価時系列・推移 - Yahoo!ファイナンス
☆5/8の終値から6営業日で6.8倍に暴騰
☆6連続ストップ高で損切りするチャンスすら与えられず、ただ含み損が膨張しているのを眺めているしかない
この銘柄、2010年以降は時価総額9億~14億と超小型株ではありますが、大体はEPS20前後でさほど目立つ銘柄ではありませんでした。
そしてなぜか貸借銘柄で空売り可能な銘柄であり、今年の春に突然の大噴火。
超小型株を空売りすることの恐怖をまざまざと教えてくれる事件でした。
おわりに
①時価総額10億円の銘柄の株価が短期間で10倍になって時価総額100億円になる可能性
②時価総額100億円の銘柄の株価が短期間で10倍になって時価総額1000億円になる可能性
③時価総額1000億円の銘柄の株価が短期間で10倍になって時価総額1兆円になる可能性
どれが一番高いかといわれれば、個人的感触では①。
次に②。
もっとも低そうなのが③。
比較的少ない流入資金量でも超小型銘柄なら劇的な株価変動を引き起こす場合があり、その変化がさらなる流入資金を呼び、さらに大きな株価変動を起こす場合も。
一概に「信用取引は恐ろしい」とはまったく思いませんが、超小型銘柄の空売りなどは本当に悲惨な結果を生む可能性があると思います。
ちなみに個人的には時価総額概ね100億円以下の銘柄の空売りは基本的にしないことにしていますが、ただの経験則で100億が妥当なのかは不明。