世界景気が減速しそうでしなかった話。
グローバル総合PMI
「PMI」は「購買担当者指数」のことで景気指標の一つ。
世界の多くの国で採用されており、毎月更新される即時性の高い便利な指標。
50が分岐点であり
●50より大きい⇒景気拡大
●50より小さい⇒景気減速
と判断。
製造業PMIは「製造業購買担当者指数」のことで、製造業全般の景気を示唆。
サービス業PMIは「サービス業購買担当者指数」のことで、サービス業全般の景気を示唆。
JPモルガン・グローバル総合PMIはサービス業と製造業、両方を考慮した世界全体の景気指標。
近年のグローバル総合PMIの歴史
グローバル総合PMI(緑線)の2008年以降の推移をGDP動向(オレンジ)とともに確認。
※出所:https://www.pmi.spglobal.com/Public/Home/PressRelease/876d109fed764a71a32200c3ce5a7118より作成
この指標、2008年以降で概ねGDP動向と連動性あり。
2008年以降では3回ほど節目の50を下回り、不況を示唆。
1回目は2008~2009年の世界金融危機、2回目が2020年のコロナ不況、3回目が2022年の秋ごろ、インフレ+利上げで株価が低迷していた時期。
ほかにも好不況の分かれ目の「50」に2度接近。
1度目は2012年の欧州債務危機、2度目は2015~2016年ごろのチャイナショック。
世界景気動向をそれなりに反映してきた指標といえそう。
直近のグローバル総合PMI
世界景気動向の目安としてグローバル総合PMIの推移を確認。
※出所:https://www.pmi.spglobal.com/Public/Home/PressRelease/876d109fed764a71a32200c3ce5a7118より作成
最新の2023.11月データは「50.4」で10月の「50.0」より上昇。
10月はちょうど節目の50ジャストで世界景気の減速が危惧されましたが、そこから反発。
景気動向の参考となるKOMTRAX指数。
中国と北米のKOMTRAX指数が11月は前年同月比でプラスに(日本はマイナス幅減少、欧州はマイ転)。
この流れが今後も続くかどうかは不明ですが、とりあえず11月は少し明かりが差した世界景気。