中国の不動産価格、異例の横ばい状態が続く話。
中国 住宅価格指数 (前年同月比。2011年~)
※出所:中国 住宅価格指数 (前年比)
中国住宅価格指数は、中国国家統計局が発表するデータをトムソン·ロイターが算出した加重平均指数。
中国の70の大・中都市における住宅価格を前年と比べた変化率。
☆直近ピーク:+4.9%(2021年5月)
☆直近ボトム:-1.6%(2022年11月)
-1.6%水準から回復傾向にあるも、2023年4月以降、ほぼ横ばい。
最新値2023年11月は「-0.2%」(前月は-0.1%)。
※出所:中国 住宅価格指数 (前年比)より作成
何が「異常」なのか
※出所:中国 住宅価格指数 (前年比)より作成
あくまで2011年以降の傾向に過ぎませんが、これまでは
住宅価格上昇トレンド
住宅価格下落トレンド
がくっきりしていました。
しかし、2023年4月以降半年間、前年比0%付近でほぼ動かないという状態。
ここ10数年で初めての「横ばい」トレンド
という意味で異常事態。
一つの要因、中国人口動態
※以下の3つのグラフの出所:人口 – 国際統計 Global Note
<中国:総人口>
IMFによれば中国の総人口は「2021年」をピークに今後減少する見込み。
<中国:生産年齢人口比率>
中国の生産年齢人口(15~64歳の人口)の比率は「2010年」がピークでその後は低下中。
<中国:生産年齢人口>
中国の生産年齢人口は「2016年」がピークでその後減少中。
それぞれのピークまとめ。
☆生産年齢人口比率:「2010年」
☆生産年齢人口:「2016年」
☆総人口:「2021年」
ほかにも理由はあるでしょうが、中国の経済成長率低下、住宅価格低迷の一因として「急速な少子高齢化」という人口動態要因は無視できないと思われます。
おわりに
前年同月比で住宅価格の「横ばい」状態が2023年4月以降8ヵ月継続。
引き続き異常事態が続くのか、何か変化が生じるのか、気になる状況。