米債券市場とS&P500の売り時、買い時についての考察。
クレジットスプレッドについてはコチラ↓
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米国債券のクレジットスプレッド Baa格
2024.2.22のBaa格付け債券と米10年国債の利回りスプレッド(%)は「1.49」。
1986年以降のスプレッドの長期中央値は「2.18」で今は中央値より約-32%水準。
1986年以降のこの指標では楽観サイドの極みといってもいい状態。
この指標とS&P500の関係をグラフ化。
米国債券クレジットスプレッド(Baa格)とS&P500
※出所:Moody's Seasoned Baa Corporate Bond Yield Relative to Yield on 10-Year Treasury Constant Maturity (BAA10Y) | FRED | St. Louis Fed、S&P500 過去のレート - Investing.comより作成
1995.1~2024.1(月末値)のBaaスプレッド(以下:スプレッド)とS&P500の推移。
スプレッドの数値は上下を反転して表示。
クレジットスプレッド(Baa格)が示唆する買い時
1995年以降の経験則に過ぎませんが、概ねスプレッドが3.5%まで拡大する時期は、S&P500の買い時。
ITバブル崩壊後の不況、世界金融危機、欧州債務危機、チャイナショック、コロナショック、こういった時期にこのスプレッドはきっちり反応しており、いい指標になってきたと思われます。
クレジットスプレッド(Baa格)が示唆する売り時
売り時はいちおうスプレッドが1.5~1.7%程度が目安にならなくもないですが、買い時よりはるかに判断が難しい。
1995年以降の経験則としては、スプレッドが1.5~1.7%程度まで縮小し、その後2%程度まで戻してきたら
☆きっちりリバランスしてリスク資産の比率を所定の水準に戻す
☆所定の比率よりリスク資産の割合をいくらか減らし様子をみる
程度の手の入れ方が適切だったか。
この30年トータルではS&P500はすこぶる好調だったので、
追加投資を含め「買い時」(3.5%程度)にだけ買って、あとは何もしない
がベストだったのですが、今後もこのやり方がうまくいくかは全く不明。
結果論ですが、ITバブル崩壊期、サブプライムバブル崩壊期に関しては、2%程度まで戻した時期にがっつりリスク資産を減らした方がよかった。
あとがき
米債券市場とS&P500の売り時、買い時について久々に考察。
Baaスプレッドは主に
悲観充満局面で株式を買い向かう勇気
を与えてくれる指標か。
売り時については精度が高いとは言えませんが、株価のピークより早い時期にスプレッドが急拡大している時期(ITバブルやサブプライムバブルの崩壊期)もあり、スプレッドが
☆1.5~1.7%程度まで縮小し
☆その後2%程度まで戻し
☆さらに拡大を続ける
時期は、スプレッドの拡大止まったことが確認できるまで、一応はビビッていてもよさそう。
今はまだその時期ではなさげ。