
先週の米国市場を株式の割安割高を判断する目安になると思われる指標などで概観してみます。
・投資判断はご自身で行ってください
・本ブログ記事に何らかの投資行動を推奨する意図はありません
簡単な米国市場の概観
<S&P500>

※出所:米S&P 500インデックス(SPX - Investing.com
直近値は「6664」で前週比「+1.7%」。
10月月間では今は「-0.4%」。
2022年1月の最高値「4819」より約「+38」%水準。
<米国10年国債利回り>

直近値は「4.01%」(前週は「4.05%)。
定点観測
以下の4つで定点観測してみます。
★恐怖指数<米国市場。S&P500の変動性>
★米債券スプレッド<米国市場。クレジットスプレッドの一つ>
★S&P500のPBR<米国の代表的な株価指数のPBR>
★シラーPER
恐怖指数
<ここ5年>

直近値は「20.78」(前週は「21.66」)。
1990年以降の長期中央値は「18.0」(月末値データより算出)。
米国の市場心理は
やや不安?
と推測。
※参考:2018年以降の高い値(場中含む。概算値)
・2018.2月:「50」
・2020.3月:「85」
・2024.8月:「66」
・2025.4月:「60」
<恐怖指数について詳しくはコチラ↓>
www.yukimatu-value.com
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米債券スプレッド
本記事の米債券スプレッドとは
①米債券スプレッド
=米国の社債(格付け:Baa)の利回り-米国債(10年物)の利回り
②米債券スプレッドが大きい⇒株式は割安傾向
③米債券スプレッドが小さい⇒株式は割高傾向
④3.0%以上のスプレッドの時期に株価は概ね割安か?
推移グラフと現在の状況判断

10.16の米債券スプレッド(%。格付けBaa)は「1.71」(前週は「1.69」)。
スプレッドの1986年以降の長期中央値は「2.16」で今は中央値より約-21%水準。
投資家心理は
やや楽観
か。
<米債券スプレッドについて詳しくはコチラ↓>
www.yukimatu-value.com
S&P500のPBR

※出所:S&P 500 Price to Book Value
1999年末~直近のS&P500のPBR推移。
直近の推計値は「5.59」倍(前週は「5.49」倍)。
長期の中央値「2.91」を92%ほど上回っており、株価水準は
割高
か。
※最近のS&P500の高PBR
①2018年1月:3.60倍(好況)
②2018年9月:3.51倍(好況)
③2020年1月:3.76倍(コロナ前)
④2021年12月:4.73倍(コロナ後)
⑤2024年12月:5.36倍(コロナ後2回目の高水準)
⑥2025年10月:5.63倍(コロナ後3回目の高水準)

※出所:S&P 500 Price to Book Value
<S&P500のPBRについて詳しくはコチラ↓>
シラーPER

※出所:Shiller PE Ratioより作成 ※期間:1995.1~2025.2(月初データ)
1995年以降のシラーPERの推移。
1995年以降の中央値は「26.9」倍。
2025年10月までの5年移動平均は「33.7」倍。
直近値は約「39.8」倍(前週は「39.1」倍)。
長期中央値より約48%高く、5年移動平均より約18%高い水準。
株価水準は
割高?
と推測。

※出所:Shiller PE Ratio
※参考:シラーPER(CAPEレシオ)とは|金融経済用語集 - iFinance
現時点での米国市場の割高割安、4つの指標からの推測、まとめ
あくまで経験的な判断ですが、現時点で各指標が示唆する株式の割安、割高の判断をまとめます。
★恐怖指数⇒割安ではない?
★米債券スプレッド⇒やや割高?
★S&P500のPBR⇒割高?
☆シラーPER⇒割高?
長期的には米国株の水準は
割高?
と推測。
※個人の直感、感想です。先のことは不明。投資は自己判断、自己責任で
近年のバブル期と「現在」のデータ比較
※表のデータ出所 ・米国失業率:US Unemployment Rate ・実質経済成長率:BEA National Economic Accounts ・マージンデット:Margin Statistics | FINRA.org ・長短金利差:米国債・金利 - Bloomberg

・米債券スプレッド:やや割高か
・シラーPER、S&P500のPBR:割高か
・マージンデット前年同月比:9月は「+38.5%」(前月は+32.9%)
・長短金利差(10y-3m):逆イールド解消、11週連続
・長短金利差(10y-2y):逆イールド解消、59週連続
金融ストレス指数(1994年~)

※出所:St. Louis Fed Financial Stress Index (STLFSI4) | FRED | St. Louis Fed
直近値2025.10.10は「-0.48」(前週は「-0.49)。
1994年以降の長期中央値は「-0.21」。
直近値からは金融ストレスは
少ない
水準と推測。
※金融ストレス指数について
⇒金融ストレス指数とは|インデックス(指数)用語集|iFinance
おわりに

※出所:マーケット|SBI証券
SP500のここ1年と200日移動平均線とRSI(9)。
先週30%強%だったRSIは40%程度まで上昇。
前週「久々に50%割れ」となり、RSIはやや低迷していますが、この辺で反発するか、ずるずる下がるか。
マージンデット前年同月比、9月は「+38.5%」(前月は+32.9%)と大きな上昇幅に。

※出所:Margin Statistics | FINRA.orgより作成
概算値で昨年9月は「0.81兆」ドル、今年9月は「1.13兆」ドル。
1兆ドルの大台を超えて久々にもりもりと増加しており、これも市場に対する楽観偏移の数値的証拠。
2009年以降、株価指数が20~30%台下げるショックは何度かあるものの短期間で回復し、高値を更新していく相場が15年以上続いているのも、長期的視点での楽観偏移要因の一つか。
S&P500全体のPBRは約5.6倍でITバブル時超え。
シラーPERは約39.8倍でITバブル期のピークにはまだ少し遠いですが、歴史的な高さ。
どうせなら過去最高の1999年12月「44.19」倍を超えるところを見てみたい。
と2週前に書いていましたが、先週少し接近。
引き続き、米国株の割高感は極めて強いですが、割高そうだからといっても必ずしも落ちないのが株価(強気な時期はひたすら強い)。
個人的には楽観が過剰な程度まで進んでいると推測。
☆安全・リスク資産配分のリバランス
☆攻めのポートフォリオを守りのポートフォリオにいくらかシフトさせる
☆いくらか株価指数オプションのプットをいくらか買っておく
みたいなことをしたくなる状況。
・投資判断はご自身で行ってください
・本ブログ記事に何らかの投資行動を推奨する意図はありません

