最新の信用買い残で、日本株の割安割高を推測します。
信用買い残とは
信用買い残については、以下のリンクを参照ください。
基本的に信用買い残は投資家心理や信用状態を反映し、
長期的な平均値より、信用買い残が
●大きい⇒日本株は割高?
●小さい⇒日本株は割安?
と判断する目安になる指標だとわたしは考えています。
信用買い残の推移
以下のグラフは2001.6/1~2017.4/28の信用買い残の推移です。
※出所:トレーダーズ・ウェブより管理者作成
信用買い残の主要データ
平均値 2.36兆円
中央値 2.20兆円
※便宜的に概ね2.3兆円を平均とします
最大値 5.98兆円<2006.2/10>
最小値 0.81兆円<2003.1/17>
※期間2001年6月1日~2017年4月28日 811個のデータより
※データ出所:トレーダーズ・ウェブ
信用買い残の現状と分析
※出所:トレーダーズ・ウェブより管理者作成
①長期平均との比較
2017.4.28時点の信用買い残は約2.4兆円です。
これは長期的な平均値2.3兆円に近い数値であり、
信用買い残だけで判断すると、
日本株は割高でも割安でもない、普通の水準
と推測されます。
②最近2年の推移と現状
※出所:トレーダーズ・ウェブデータより管理者作成
※出所:SBI証券
上記二つのグラフは、ここ2年の信用買い残とTOPIXの推移を示したものです。
2015年8月の「中国景気減速不安」の時期までは、3.5兆円まで増加するなど、信用買い残はとても高い水準で推移していました。
しかし、2015年8月以降は下落トレンド、2016.6月のブレグジットの頃には長期平均(2.3兆円)を下回り、2016年秋のトランプ相場が始まるまでだらだらと落ち続けます。
2016.10月頃は2兆円の大台を割り込むところでした。
その後、トランプ相場でやや息を吹き返し、現在は2.5兆円前後というところ。
TOPIXや日経平均などの指数はかなり回復していますが、信用買い残はそれに比べてさえない動きです。
2017.4月末は日経平均が19000を超えていますが、信用買い残は2兆円台中盤という水準。日銀の年間6兆円のETF買いも、指数にはかなり影響しているもよう。
米国市場などに比べると、日本の投資家は比較的懐疑的で冷めているような印象を受けます。
イケイケにもなれず、全軍撤収!という雰囲気でもなく、実に微妙な雰囲気で、今の日本市場はとてもむつかしい相場ではないかと思われます。