中国人民銀行(PBOC)の資産動向に関する記事です。
スポンサーリンク
中国人民銀行の資産動向を確認するメリット
一般論として、金利が下がると
◎経済活動が活発になり景気に好影響
⇒企業利益の増加⇒株高
◎企業の借入金の金利負担は減少
⇒企業利益の増加⇒株高
◎債券利回り低下
⇒投資先としての債券の魅力DOWN
⇒債券以外の投資先(株、不動産など)の相対的な魅力UP
⇒株高
などの要因で株高傾向になりやすいと思われます。
そして、金利動向には中央銀行の金融政策が大きく影響します。
中央銀行が
●緩和政策をとり、市中の国債などを購入し(国債価格は上昇、利回りは低下)
●対価として債券保有者にマネーを供給し
●結果的に、中央銀行の資産規模がふくらむこと
は基本的な傾向として
●株価に好影響を与える
●その逆も然り
だと考えられます。
中央銀行の資産規模が
◎増加⇒株価に好影響
◎減少⇒株価に悪影響
したがって、資産規模の大きいECB、FRB、日銀、中国人民銀行(PBOC)などの中央銀行の資産規模やその動向を確認しておくことは、
●長期的視点から、株式市場の環境を考える
上で役に立つと思われます。
近年のPBOCの資産動向グラフ
※出所:China Central Bank Balance Sheet | 1999-2018 | Data | Chart | Calendar
※単位:1億元 ※期間:1999年~2017年11月
近年のPBOCの資産推移グラフです。
2015年に減少しましたが、ほぼ一貫して増加傾向。
PBOC資産の推移データ表
※出所:China Central Bank Balance Sheet | 1999-2018 | Data | Chart | Calendarのデータより管理者作成
上記表はPBOCの2006年以降の資産を年末ごとに表にしたものです。
上記サイトでは直近のデータ以外の厳密な数値が不明なものが多く、表の数値はグラフから目分量で推定したものもがほとんどです。
あまり正確な数値ではないので、目安です。
人民元単位では伝わりにくいので、便宜的に「1人民元=17円」で計算した「円建てPBOC資産額」と「前年との増減幅」も表記しています。
2017年は11月末のデータです。
データ表からわかること
<資産動向>
★2006年末から2017.11月末で資産はざっと2.8倍。
金額的には397兆円程度の増加。
★2015年を除いて、
安定的に増加し続けている
のが印象的です。
<2015年の資産縮小>
今回初めて知ったのですが、PBOCは2015年に突然?資産縮小を実施していました。
2015年夏や2016年初頭の世界的な株安と、PBOCの資産縮小には何らかの関連があるのでしょうか?
<2015~2016年の株安の様子>
※出所:米S&P 500インデックス(SPX - Investing.comより管理者作成
4大中央銀行の資産比較
FRB、ECB、PBOC、日銀の2017年11月末の資産規模を確認してみます。
※便宜的に「1ドル:110円」「1ユーロ:130円」「1人民元:17円」で計算
※出所:Bank of Japan、Central Bank Assets for Euro Area 、Total Assets | FRED | 、China Central Bank のデータより管理者作成
あまり意識していなかったのですが、PBOCが最も大きな資産規模になっています。
PBOCの今後の動向
世界最大の中央銀行であるにも関わらず、その動向について、あまり情報がありません。
今後の動向はよくわからないのですが、上記サイトで毎月PBOCの資産規模は追っていけそうです。
おわりに
※出所:China Central Bank Balance Sheet | 1999-2018 | Data | Chart | Calendar
※単位:1億元 ※期間:1999年~2017年11月
現在世界最大の中央銀行の資産は近年ほぼ一貫して増加しています。
増加がもし止まれば、市場に何らかの悪影響を及ぼす可能性もあり、ときどき観察を続けていきます。
関連記事です。
●中央銀行に関する記事
●世界的なカネ余りについての記事