ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

惜しくも「株価下落の1年」に ~米国市場の概況~

f:id:yukimatu-tousi:20190202153410p:plain先週の米国市場を

「米国株式の割安割高を判断する目安」

になると思われる指標などで概観してみます。

ごく簡単な米国市場の概観

<先週のS&P500>

f:id:yukimatu-tousi:20190202153911p:plain※出所:米S&P 500インデックス(SPX - Investing.com

2.1は「2707」。前週末比「+1.6」。

FOMCの影響が大きかった一週間。

2018年末は「2507」だったので、2019年1月は+7.9%の大幅上昇でした。

最高値は2018年9月の「2941」で今は高値から「-8.0%」の水準。

<先週の米国10年国債利回り>

f:id:yukimatu-tousi:20190202154037p:plain※出所:米国 10年 | 米国 10年 債券利回り

2.1は「2.68%」。

前週末は「2.76%」だったので、週間で利回りは大幅低下。

FOMCの影響は大きそう。

昨年末は「2.69%」で今はほぼ同水準。

2018年で最も高かったのは10月の「3.26%」。

定点観測

以下の4つで定点観測してみます。

恐怖指数<米国市場。S&P500の変動性>

ジャンク債スプレッド<米国市場。クレジットスプレッドの一つ>

S&P500のPBR<米国の代表的な株価指数のPBR>

米国バフェット指標 <米国の時価総額÷米国の名目GDP>

恐怖指数

<ここ1年>

f:id:yukimatu-tousi:20190202154317p:plain
<先週>

f:id:yukimatu-tousi:20190202154348p:plain※出所:S&P 500 VIXインデックス

2.1は「16.14」。前週の「17.42」より低下。

昨年2月はショックに見舞われましたが、今年はどうか。

水準としては長期平均(「19.3」)よりやや低く、米国の市場心理は

ふつう~やや安心?

と推測。

目安の「30」以下であり、株価は割安ではなさそう。

※参考:2018年のピークの概算値

・2月:「50」

・10月:「29」

・12月:「36」

<恐怖指数について詳しくはコチラ↓>

www.yukimatu-value.com
スポンサーリンク


 
★ブログランキング参加中! にほんブログ村 株ブログ 米国株へ 

ジャンク債スプレッド

ジャンク債スプレッドとは

①ジャンク債スプレッド

米国のハイ・イールド債の利回り-米国債(10年物)の利回り

②ジャンク債スプレッドが大きい⇒株式は割安傾向

③ジャンク債スプレッドが小さい⇒株式は割高傾向

④★平均値(幾何平均):3.0

 ★中央値:3.0

<期間:1996.12月~2019.1月の月末>

推移グラフと現在の状況判断

f:id:yukimatu-tousi:20190202202224p:plain※出所:◎St. Louis Fed米国 10年 債券利回りのデータより管理者作成 ※期間:1996.12月末~2018.12月末

1.31時点のジャンク債スプレッドは「2.6」で、前週の「2.7」より低下。

若干のリスクオン傾向。

※ジャンク債利回り「5.27%」、米国債(10年物)の利回り「2.63%」

スプレッドは長期平均「3.0」より小さく、投資家心理はやや安心?か。

株価水準としては

ふつう~やや割高?

と推測。

<最近の推移>

f:id:yukimatu-tousi:20190202202413p:plain※出所:◎St. Louis Fed米国 10年 債券利回りのデータより管理者作成 ※期間:2016.1月~2018.1月

<ジャンク債スプレッドについて詳しくはコチラ↓>
www.yukimatu-value.com

S&P500のPBR

f:id:yukimatu-tousi:20190202202454p:plain※出所:S&P 500 Price to Book Value

1999年末~直近のS&P500のPBRの推移です。

2.1時点の推計値は「3.24」。前週の「3.18」から上昇。

水準としては

★ITバブルの頃のピーク(5.06

より小さく

★サブプライムバブルの頃のピーク(2.91

は上回る水準。

長期平均の「2.79」は上回っており、現在は

割安な水準ではなさそう

です。

f:id:yukimatu-tousi:20190202202520p:plain※出所:S&P 500 Price to Book Value

<S&P500のPBRについて詳しくはコチラ↓>

www.yukimatu-value.com

米国バフェット指標

米国バフェット指標とは

①米国バフェット指標=米国の時価総額÷米国の名目GDP

②米国株式の割安割高を判断する目安

③1995~2017年の各年末のデータから、

★平均値:1.26

★中央値:1.32

④近年の経験則の域を出ませんが

★1.05以下は株式は割安圏?

★1.40以上は株式は割高圏? と推測
⑤米国の時価総額=NYSE+Nasdaqで計算

推移グラフと現在の状況判断

f:id:yukimatu-tousi:20190119164934p:plain※出所:グローバルノートWFEのデータより管理者作成 ※期間:1995年末~2018年末 

米国の時価総額は2018年12月末で約「30.4兆ドル」(前月末は「33.8兆ドル」)。

前月より大幅減。

2018年12月末の米国バフェット指標は「1.48」(前月末は「1.65」)。

現在、割高圏の目安「1.4」を上回っていると推測され、12月末時点の米国株式は

割高圏?

と推測。

 2019年1月末はこのままいくと大幅な増加になりそう。

この指標の水準としては2017年4月頃と似た数値。

f:id:yukimatu-tousi:20190119134842p:plain
※データ出所:
https://www.world-exchanges.org/世界経済のネタ帳のデータより作成

※2018年米国名目GDP:20.51兆ドル(IMF推計)。2017年は19.49兆ドル

米国バフェット指標について詳しくはコチラ↓

www.yukimatu-value.com

現時点での米国市場の割高割安、4つの指標からの推測、まとめ

あくまで経験的な判断ですが、現時点で各指標が示唆する株式の割安、割高の判断をまとめます。

恐怖指数⇒割安ではなさそう

ジャンク債スプレッドふつう~やや割高

S&P500のPBR⇒割安ではなさそう

 ★米国バフェット指標 ⇒割高圏?

総合的に判断すると、わたしは米国株式は

割高?

と推測。

現時点での米国株の長期投資のタイミングとしては

①リスク資産の資産配分が大きくなりすぎていれば、所定の配分に戻す

②資産配分において、株式の配分比率を減らす

③資産配分において、現金の配分比率を増やす

④長期投資を一時やめる(投資をやめる機会を探している場合)

のに適す時期だと考えています。単なる経験則ですが。

※概ね10年以上を想定した長期投資に関する一つの判断です。短期、中期的な投資には役立たない可能性が高いです

※基本的にできるだけ「割高な時期に株を売り、割安な時期に株を買う」という判断に基づいています

※単なる個人の感想です。未来は誰にも予知できません。投資は自己判断、自己責任で  

ITバブル、サブプライムバブル、現在のデータ比較

※表のデータ出所 ・世界のバフェット指標:GLOBAL NOTEhttps://www.world-exchanges.org/ ・OECD景気先行指数:OECD Data ・シラーPER:Shiller PE Ratio ・失業率:US Unemployment Rate ・実質経済成長率:BEA National Economic Accounts ・長短金利差:米国債・金利 - Bloomberg

f:id:yukimatu-tousi:20190202220610p:plain・米国失業率:2000.3月と並ぶ

あとがき

f:id:yukimatu-tousi:20190202220931p:plain※出所:米S&P 500 過去のレート - Investing.comより作成

2017.12月以降のS&P500の月間推移です。

2019.1月末の値は気づけば2017年末の値を上回っており、ひと月程度時期がずれていれば、

2018年は株価(S&P500)上昇の年

といえたことになります。

2018.12月の急落分も概ねカバー。

FRBの引き締めも緩みそうで、このままご機嫌に上昇するのか、はたまた2月3月あたりにまた波乱に見舞われるのか。

中国に続いてドイツの製造業PMIも節目の「50」を下回り(2019.1月)、日本も怪しい水準に。

引き続き何があっても大けがしなさそうなポジションで安全運転。
関連記事

www.yukimatu-value.com

www.yukimatu-value.com

関連コンテンツ




【更新の励みになります。よければ応援クリックを!】

follow us in feedly