はてなブログに引っ越す前に書いていた、
《【世界時価総額】で株式の割安割高を探る》4回シリーズ
のダイジェスト版です。
引っ越しにともなって、文字の乱れが多いため、リニューアルして掲載します。
世界時価総額を知る主なメリット
□世界の株式市場の規模が端的にわかります
□長期的視点から、全世界の株式市場の推移を俯瞰できます
□株式の割安・割高を判断する手がかりになります
まず、「時価総額」とは?
一般的に、
◎時価総額=株価×発行済株式数
です。
企業が発行した株式の数に株価をかけたものです。
例えばトヨタ自動車なら、株数は約32.6億株、株価は5798円なので、32.6億×5798円≒18.9兆円の時価総額になります。
約18.9兆円、これがトヨタ自動車の市場価値です(2017.4.12日のデータ)。
また、日本全体の上場企業のすべての時価総額を合計すると、約567兆円です。
※2017.4.12日現在。新興市場、東証二部を含む数値。データ出所:日本取引所グループ
この567兆円が日本の時価総額=市場規模です。
まとめますと、時価総額は主に3つの意味を持ちます。
①時価総額=株価×発行済株式数
②時価総額=市場価値(個別の上場企業の市場価値)
③時価総額=市場規模(全上場企業の時価総額の合計額
本記事では、時価総額を主に、市場規模の意味で使用していきます。
世界時価総額とは
時価総額=市場規模(全上場企業の時価総額の合計額)とすると、
世界時価総額
=全世界の主要な株式市場の時価総額の総和
=全世界の株式市場の規模
のことです。
2017年2月末時点での世界時価総額は約73.5兆ドル(約8300兆円)です。<1ドル=113円で計算>
※データ出所:WFE(国際取引所連合)
世界時価総額の取扱い説明書
世界時価総額は世界的な株式の割安割高の判断材料になります。
「時価総額=株価×発行済みの株数」
なので、時価総額は概ね株価と連動します。
※例えば、世界時価総額とS&P500(米国の代表的株価指数)は1995年以降、おおむね連動しています
したがって、世界時価総額が大きい時期は、世界的に株高であり、株式は割高である可能性があります。
同様に、世界時価総額が小さい時期は、世界的に株安であり、株式は割安である可能性があります。
世界時価総額が
◎大きい→株高→株式は割高(の可能性)
◎小さい→株安→株式は割安(の可能性)
ここで、世界時価総額の推移グラフを示し、近年の株式の割安な時期、割高な時期を探ってみます。
※データ出所:以下サイトデータより管理者作成→WFE(国際取引所連合)
株式が割安だったのは、
◎2002年秋~2003年春頃
◎2008年秋~2009年春頃
株式が割高だったのは、
◎1999年秋~2000年春頃
◎2007年秋頃
と推測されます。
そして、2015年春もおそらく割高傾向。
2017年春もやや割高な水準にあると推測されます。
世界時価総額で株式の割安割高を判断する問題点
ただ、「世界時価総額で株式の割安割高を判断する手法」には問題もあります。
問題点は2つあります。
問題①:世界時価総額では、過去と比較した現在の相場水準が概ね分かるだけで、未来の展開を予測できるわけではありません
今、過去と比較して、時価総額が大きいから割高
と判断しても、その後、株価どう動くかは、誰にもわかりません。
バブルがいつまで続くのか、暴落がいつ止まるのか、それを予測することができる指標ではありません。
問題②:「過去のバブル相場」「暴落・長期低迷相場」との対比ができません
その主な理由は、世界経済が成長を続け、経済規模が大きくなるにつれて、全世界の株式市場の規模も拡大を続けていることです。
1990年と2015年を比較すると、25年間で世界時価総額は約7倍、世界の経済規模(GDP)は約3倍になっています。
したがって、一国単位、世界単位でみると、
経済規模が大きくなれば、バブルでなくても時価総額が大きくなるのは当然
であり、株式の割安割高を判断するには、時価総額だけでは不十分です。
この問題を解決するのがバフェット指標です。
以上【世界時価総額】で株式の割安割高を探る<ダイジェスト版>でした。
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