長期的なGDPの成長と市場規模の拡大が期待しやすそうなインド。
インドの景気とバフェット指標に関する記事です。
新興国投資に興味のある方はよければお付き合いください。
・景気動向⇒CLI(インド)
・株価水準⇒バフェット指標
で簡単に確認してみます。
インドの景気動向
インドの景気動向をOECD景気先行指数(以下:CLI)で探ってみます。
CLIの簡単な説明です。
○OECDが算出している景気動向を判断する指標
○100が基準値
○100より低い⇒景気は悪い
○100より高い⇒景気はよい
○CLIが下降している⇒景気の減速
○CLIが上昇している⇒景気の加速
詳しくは下記記事を参照ください。
1995.1月~2017.7月のインドのCLIを見てみます。
※出所:OECD Data
基準値は100です。100以上で好景気、以下で不景気です。
1997年のアジア通貨危機前の好景気とその後の不況。
ITバブル期(2000年頃)の好況とその後の不況。
サブプライムバブル、ブリックスバブル期(2006~2007年頃)の好況とリーマンショック後の不況。
欧州債務危機前の好況と2014年まで続く下降トレンド、その後の回復具合が描かれています。
※出所:OECD Data
上記グラフはここ3年、2014.7月~2017.7月の推移です。
2014年初頭からの景気回復は2016年の春にいったんピーク、2017年春まで落ち込んで少し回復してきた?というところ。
数値は「99.7」と100に届きませんがそれに近い、ぼちぼちの水準。
インドのバフェット指標、現在の株価水準
バフェット指標=(ある国の)株式時価総額÷名目GDP
です。
・この数値が大きい⇒その国の株価は割高傾向?
・この数値が小さい⇒その国の株価は割安傾向?
と判断する一つの目安です。
※経験則に基づく単なる目安です
※バフェット指標についてはこちらの記事を参照ください
インドのバフェット指標の推移を見てみます。
データは2003~2016年の年末値です。
※出所:Global Noteのデータより管理者作成 ※2003~2016年の年末値で算出
この期間の平均値と主要なイベント時期に印をつけてみると上記のようになります。
この期間の平均値は0.71、中央値は0.69です。
2007年末頃のブリックスブームは強烈で、「1.4」を超える非常に割高な水準だったと推測されます。
その後、リーマンショック後に大きく落ち込み、急速な回復を見せますが、2011年以降、この指標ではあまりさえない、割高でも割安でもなさそうな状況が続いているように見えます。
直近のインドのバフェット指標
ただ、2017年に入って徐々に割高感を増しています。
※世界経済のネタ帳、World Federation of Exchangesのデータより管理者作成
昨年末まで「0.7」程度だったのが、2017.8月末には「0.8」程度まで上昇、長期平均を上回ってきました。
この指標の2017.8月の数値のみでの判断ですが、インドの株価水準は
若干割高?
少なくとも
「割安な水準」ではないのでは?
と推測します。
個人的には無理して今買わなくてもいいのかなあ、というところ。
「0.6」を下回ってきたら、いい買い物になるかもしれません。
※個人の感想です。投資判断は自己責任で
スポンサーリンク
先進国と新興国のバフェット指標
最後に米国、日本、インド、インドネシアの2003~2016年末のバフェット指標の推移を併記してみます。
※出所:Global Noteのデータより管理者作成 ※2003~2016年の年末値で算出
①の時期はバブル崩壊により大きく落ち込んでいます。
すべての国で大きく落ち込んでいますが、インド、インドネシアの2007年⇒2008年の振れ幅がとても大きいです。
このグラフでは米国、日本は2006年にピークをつけていますが、インドネシアやインドは少し遅れて、2007年がバフェット指標のピークだったようで、ピークのタイミングにずれがあります。
②の時期の推移から読み取れるのは、
・2011年以降、割高感を増していった米国、日本
・相対的に停滞するインドネシア、インド
という構図でしょうか。
ここ5・6年、米国や日本のような先進国株式市場への資金流入が著明、対して新興国はあまりぱっとしない傾向があるのかもしれません。
・今後もこの傾向が続くのか
・新興国に資金が入っていくのか
・あるいはリスクオフで全市場から資金が流出するのか
引き続きときどき観察していく予定です。
関連記事です。
主にインドの経済成長に関する記事です。↓
インド投資の一つの手段を紹介しています。↓