引き続き世界景気のトレンドがパッとしません。
世界の景気をCLIとPMIの観点から観察してみます。
①CLI(OECD全体)
※出所:- Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより管理者作成
景気指標の一つ、Composite leading indicator (CLI。OECD景気先行指数)の2017.1月~2018.2月の推移です。
「100」が「ふつうの景気水準」、数字が大きいほど好況、小さいほど不況を示唆します。
上記はOECD全体のCLIであり、世界の名目GDPの6割以上を占める国を網羅した景気指数です。
データ更新がゆっくりなのが欠点ですが、先日更新された2018年2月のデータでは
2017年11月
が直近のピークとなっており、2月も引き続き減速トレンド。
ただ、景気水準自体は
ふつう~やや良い
であり、トレンドも急速な低下ではありません。
※CLIについて詳しくコチラ↓
●トレンドは回復~少し停滞? ~OECD全体の景気先行指数 2017年11月データ~ - ユキマツの「長期投資のタイミング」
②グローバル製造業PMI
「購買担当者指数」は「PMI」とも呼ばれる景気指標の一つです。
世界の多くの国で採用されており、毎月更新される即時性の高い便利な指標です。
50が分岐点であり、
●50より大きい⇒景気拡大
●50より小さい⇒景気後退
と判断します。
製造業PMIは「製造業購買担当者指数」のことで、製造業全般の景気を示唆します。
グローバル製造業PMIは「全世界の製造業の景気状況」を示唆する指数です。
グローバル製造業PMIの推移を見てみます。
※グローバル製造業PMIについて、詳しくはコチラ(英語サイト)
https://www.markiteconomics.com/Survey/PressRelease.mvc/0db3741a42a04095825f736f65c9a6da
※出所:https://www.markiteconomics.com/Survey/PressRelease.mvc/0db3741a42a04095825f736f65c9a6da
より管理者作成
2017.12月をピークに2018.1~3月は小幅に減速しているようです。
●2018年2月:54.1
●2018年3月:53.4
ただ、節目の50は大幅に超えており、景気水準自体は
良く
今後、下落トレンドが続くか、要経過観察というところ。
※PMIについて詳しくコチラ↓
●中日独の景気動向 2017年11月データ - ユキマツの「長期投資のタイミング」
③主要国製造業PMI
最後に主要4ヶ国(米中日独)の国別の製造業PMIを確認します。
期間は2016.1月~2018.3月です。
※出所:「https://jp.investing.com/search?q=製造業購買担当者指数 PMI」のデータより管理者作成
2016.9月以降、ずっとこの4ヶ国の製造業PMIは節目の「50」を上回っており、世界的な景気のよさがうかがえます。
直近のピークは
●中国:2017.9月
●ドイツ:2017.12月
●日本:2018.1月
●米国:2018.3月
です。
最近の動向としては
●日本、ドイツ:減速基調
●米国:やや加速
●中国:横這い
というところでしょうか。
主要4ヶ国内でもけっこうまちまちで、全体的に一気に景気悪化、という雰囲気ではありません。
おわりに
ざっくりと今の世界的な景気動向を探る指標の確認でした。
トレンドは若干悪いものの、景気水準はまずまずで、相変わらず微妙な状態。
明日の取引に役立つ情報では決してありませんが、
長期的なざっくりした見通し
を立てるのに便利な指標と思われ、引き続き、毎月確認していく予定です。
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