一国の経済的豊かさを測る分かりやすい指標
として
一人当たりGDP
があります。
本記事では主要先進国の「一人当たり名目GDP(ドル建て)」に着目し、各国の投資対象国としての魅力について考察してみます。
「一人当たり名目GDP」の推移
※出所:世界の1人当たり名目GDP 国別ランキング・推移(IMF) - Global Noteより管理者作成
1999年以降の先進国(主要8ヶ国)の推移です。
スイス(緑)がダントツ、米国(黄緑)は順調な右肩上がり、日本(水色)は2000年以降、停滞気味。
18年間のこの指標からは米国、豪州、スイスなどの好調さと、日本の停滞感、その他諸国のほどほどの成長がうかがえます。
1999年以降の「一人当たり名目GDP」の変化<倍>
※出所:世界の1人当たり名目GDP 国別ランキング・推移(IMF) - Global Noteのデータより管理者作成
1999~2017年の変化をグラフ化したもの。
やはり、米国、豪州、スイスなどの好調さと、日本の停滞感、その他諸国のほどほどの成長がうかがえます。
「一人当たり名目GDP」と時価総額の比較、相関
※出所:Global Note、世界の株式時価総額 国別ランキング、World Federation of Exchanges
のデータより管理者作成
投資とかかわりの深い、時価総額とあわせてみるとどうか。
各国の1999年末⇒2017年末の「時価総額(ドル建て)」「一人当たり名目GDP」の変化もあわせてみてみます。
ぱっとみ、伸びが大きい国の時価総額は大きく伸びている印象。
<散布図>
<相関係数>
上記8ヶ国の一人当たり名目GDPと時価総額の相関係数は
0.85。
かなり強い正の相関。
あくまでこの期間のごく限られたサンプルですが、「一人当たりGDP≒その国の豊かさ」とすると、
・早く豊かになっていく国の時価総額は早く伸びていきやすそう
・ゆっくり豊かになっていく国の時価総額はゆっくり伸びていきやすそう
という印象は受けます。
※あくまでこの期間の一つのサンプルです。学問的、普遍的なものではありません
まとめ
一人当たり名目GDPに着目し、1999年以降の先進8ヶ国の推移と時価総額との相関を調べてみました。
米国、豪州、スイス
などが一人当たり名目GDPの伸びが大きく時価総額も大きく伸びています。
日本はいずれの伸びも小さくなっています。
限られた期間の少ないデータに過ぎませんが、一人当たり名目GDPと時価総額には正の相関が強く、
早く豊かになっていく国の時価総額は早く伸びていきやすそう
な雰囲気はあり。
今後に関して、バイ&ホールドの長期投資を想定して考えると、比較的予測が当たりやすい人口動態に関して、
日本、ドイツが不利
な状況。
<2015⇒2035年の人口、生産年齢人口の増減率>
※出所:World Population Prospects - Population Division - United Nations<中位推計>のデータより管理者作成
人口も生産年齢人口(働き手世代の人口)を同時に減っていく2ヶ国。
一方、米国、オーストラリア、カナダなどは人口も生産年齢人口も当分、増加傾向。
過去の傾向が今後も続くわけでもありませんが、「人口面」と「一人当たり名目GDP」の実績をふまえて考えると、この8ヶ国の中では、やや不利な感じがするのは
日本、ドイツ。
有利と思われるのは
米国、オーストラリア、カナダ、スイス
あたりでしょうか。
※個人の推測、感想です。投資は自己責任で
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