世界をアジア(+太平洋地域)、欧州(+アフリカ、中東)、南北アメリカに分け、株式マネーの動きを観察するため、地域ごとの株式時価総額の変動を追ってみました。
※期間は2018年1月末⇒2018年5月末
※時価総額はドル建て
※データ出所:World Federation of Exchanges
地域ごとに分けてみる意味
世界を3分割し、アジア、欧州、アメリカに分けることで、概ね株式マネーがどこに向かい、どこから引き揚げているか、ざっくりと判断できます。
欧州(+アフリカ、中東)
この地域の中心はイギリス、フランス、ドイツ、スイスなどの株式市場。
2018年1月末⇒2018年5月末で時価総額は
●20.9兆ドル⇒19.2兆ドル
に減少。
比率では
●-8.1%。
アジア(+太平洋地域)
この地域の中心は日本、中国、香港、インド、オーストラリアなどの株式市場。
2018年1月末⇒2018年5月末で時価総額は
●30.7兆ドル⇒28.6兆ドル
に減少。
比率では
●-6.8%。
南北アメリカ
この地域の中心は米国、カナダ、ブラジルなどの株式市場。
2018年1月末⇒2018年5月末で時価総額は
●38.2兆ドル⇒38.3兆ドル
に微増。
比率では
●+0.1%。
カナダやブラジルの時価総額は減少しており、米国の時価総額が
●33.6兆ドル⇒34.0兆ドル
に増加しています。
さらに米国の時価総額を
ニューヨーク証券取引所(NYSE)とナスダックに分けると
●NYSE:22.8兆ドル⇒23.1兆ドル
●ナスダック:10.8兆ドル⇒10.9兆ドル
でした。
ナスダックの伸びが大きい印象だったので、少し意外でしたが、ともに伸びています。
昨年との比較
2017年1月末⇒2018年1月末の1年ではどうだったか、調べてみます。
●欧州(+アフリカ、中東):16.4兆ドル⇒20.9兆ドル(+27.4%)
●アジア(+太平洋地域):23.7兆ドル⇒30.7兆ドル(+29.5%)
●南北アメリカ:31.5兆ドル⇒38.2兆ドル(+21.3%)
欧州、アジア、ともにこの1年では25%を超える大幅な増加。
世界的に株式市場にマネーが集まりやすい一年でした。
所感
2018年に関しては今のところ、
米国市場は最後の楽園?
のような雰囲気。
ざっくりした一つの観点に過ぎませんが、株式マネーに関しては、昨年来の心地よい環境を求めて、アジアや欧州からはマネーが少し逃げ出し始め、米国が選考されて留まっているような印象を受けます。
2018年も半分終わろうとしていますが、年後半、マネーはどこに向かうでしょうか。
※ドル建ての時価総額でみると、どうしても為替の影響を受け、米ドルが高い時期は相対的に米国以外の国の時価総額は小さくなりやすく、米ドルが安い時期は逆に米国以外の国の時価総額が相対的に大きくなりやすい、という歪みが生じます。「歪み前提」の一つの観点です
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