最近当ブログでは「2018年は米国一人勝ち」と表現したりしていますが、実際どうなのか。
時価総額の推移から2018年の株式マネーの動きを観察してみます。
直近ピークを1月末と仮定して、今回は8月末との比較。
地域」と「世界全体」の時価総額の変化率
まず「世界全体」と3地域に分けてみてみます。
●2018年1月末⇒8月末の変動率
●すべてUSドル建て
●世界を「南北アメリカ」「アジア・太平洋」「欧州・アフリカ・中東」に3地域に分割
※出所: https://www.world-exchanges.org/のデータより管理者作成
この7ヶ月間で世界全体の時価総額は5%ほど減っています。
特にアジア地域にの減少は大きく、15%足らずの減少。
欧州も約10%減。
増えているのは南北アメリカのみ。
※出所: https://www.world-exchanges.org/のデータより管理者作成
表にすると上記のようになります。
主要取引所の変化率
次に世界の主要な市場ごとの変動をみてみます。
●2018年1月末⇒8月末の世界の主要な株式市場の変動率です。以下の14市場で全世界の85%程度を占めます
●すべてUSドル建て
●TMX:カナダ
●National Stock:インド
●ユーロネクスト:フランス、オランダ等
●LSE:ロンドン市場
※出所: https://www.world-exchanges.org/のデータより管理者作成
この期間、米国以外の主要市場はドル建ての時価総額が減少。
アジア、特に中国は20%以上の大きな減少となっています。
香港、韓国も10%以上。
欧州も5~10%程度の減少。
やはり米国一人勝ち。
データは以下の通り。
※出所: https://www.world-exchanges.org/のデータより管理者作成
おわりに
一律に時価総額で比較するメリットは、一国でも複数あったりする株価指数に惑わされず、端的に
「市場規模」
という視点で全世界や世界各国の比較がしやすい点です。
一方、一律にドル建てで評価するため、当然
ドルやドルペッグしている国の通貨が高くなれば、相対的にその国の時価総額は大きくなり(逆も然り)、
市場規模の動向判断に為替レートの要素が入ってくるというデメリットもあります。
個人的にはドル建て時価総額は好きな指標。
とりあえず、この期間、この指標では
「米国以外、総じて不調」
という状況です。
CLI(OECD全体)やPMI(グローバル製造業)の指標がどこまで正確に世界の実体経済を反映しているかは不明ですが、これらの指標は2018年は一貫して世界景気の減速トレンドを示唆しています。
市場規模も米国以外は縮小傾向。
2018年は転換期なのかもしれません。
●世界景気のトレンド
●世界の時価総額の伸び率
●主要中銀の量的緩和スタンス
どれもこれも2017年とは大きく異なる状況になっています。
だから2019年は悲惨な年になる
かどうかは分かりませんが、2018年も9ヶ月が経ち、データ的にも一部ほころびが確認されます。
個人的にはロングショートでポジション抑えめの防御重視のスタンス。
世界景気の下落トレンドが今後も続くなら、少し空売りも試していくかも。
一方、
11月頃から翌年3~4月頃まで株価は上げやすい
という経験的なアノマリーもあるようで(実際、わたしの運用収益の多くはこの期間に集中)、意外に落ち着いた年末を迎える可能性も当然あります。
今年もあと2ヶ月半、果たしてどうなるでしょうか。
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