米国債の長短金利差に着目し、米国の景気動向、株式市場の動向を推測する記事です。
米国債の長短金利差を確認するメリット
米国の景気・株式市場の動向を探る役に立つかも?
※当ブログでは「長短金利差」
【米10年国債利回り-米2年国債利回り】
とします。
長短金利差について、詳しくはコチラをどうぞ↓
●米国債 長短金利差 <2017.12.22> - ユキマツの「長期投資のタイミング」
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直近の長短金利差
※出所:アメリカ 10年 債券利回り、アメリカ 2年 債券利回りのデータより管理者作成 ※期間:1995年1月末~2018年10月末
2018年10月末は「0.28%」。
前月末より拡大(9月末:0.24%)。
月末値としては「0.24%」が直近のボトム。
直近のピークは2010年3月の「2.81%」。
9月末まで、少なくとも8年6ヶ月ほど長短金利差の縮小トレンドが続いていたことになります。
2018.11.16現在、長短金利差は、0.26%であり、10月末と比べやや縮小。
※3.06%-2.80%=0.26%
※データ:米国債・金利 - Bloomberg
1995年以降の長短金利差と株価の関係
※出所:アメリカ 10年 債券利回り、アメリカ 2年 債券利回り、^GSPC : Summary for S&P 500 - Yahoo Finance のデータより管理者作成 ※期間:1995年1月~2018年10月
1995年以降の長短金利差と株価(【S&P500】を900で割ったもの)の推移グラフです。
2018年10月末は9月末に比べて
・長短金利差⇒拡大
・株価⇒大きく下落
したので両者の差は縮まりました。
「拡大」を続けてきた両者の差が縮みだす転機となるのかどうか。
このグラフでは、タイムラグはありますが、長期のトレンドとして概ね
●株価上昇期⇔金利差縮小トレンド
●株価下落期⇔金利差拡大トレンド
が確認できます。
また、この時期のデータに限れば、どちらかといえば
●金利差が大きい時期⇒株式は比較的割安?
●金利差が小さい時期⇒株式は比較的割高?
ともいえそうです。
※長い目でみた一つの傾向、経験則
参考データ:1980年以降の逆イールドと景気後退
※出所:FRED | St. Louis Fedのグラフより管理者作成 ※期間:1976年~2017.11月
1976年~2017.11月の長短金利差のグラフです。
5回の逆イールド期(短期金利>長期金利の時期)とその後の景気後退期(グレーラインの時期)を示しています。
5回とも景気後退期の前に逆イールドが生じており、景気後退期には株価は大きく下げる傾向があります。
長短金利差が小さいだけでなく、逆イールドになる時期は、景気や株式市場にとって不吉な兆候ではあると思われます。
※参考:米長短金利の逆転は懸念=ダラス連銀総裁 | ロイター
FRB利上げ予測
●Countdown to FOMC: CME FedWatch Tool
上記サイトによれば
年内にあと1回(12月?)
のFRBの利上げにより、現在「2.00-2.25%」のFF金利は年内に
「2.25-2.50%」
になるとの観測が優勢ですが、その確率は65.4%と前月よりは低下。
※出所:Countdown to FOMC: CME FedWatch Tool
約1年後、2019年12月のFF金利は
「2.50-2.75%」?
との観測が現時点では優勢(35.3%)。
おわりに
米国景気は
●逆イールドにならず、景気後退を迎えるのか?
●逆イールドになって、その後景気後退を迎えるのか?
●まだ当分景気後退しないのか?
まったく分かりませんが、
FRBの利上げペースが減速する?
との見立ても少し増えてきたような。
2000年以降の2回の景気後退期のパターン
★利上げの中止
⇒ボトム圏で停滞していた失業率の上昇(底打ち)
⇒「景気後退」+「株価大幅下落」?
という流れが今回も確認できるかどうか、また別の展開になるかどうか、無理のないポジションでじっくり観察を続けたいところ。
※出所:US Unemployment Rate、Yahoo Finance、Effective Federal Funds Rateのデータより管理者作成 ※期間:1995年1月~2018年10月
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