即時性の高い米国の景気指標として
ECRI景気先行指数
という指数があります。
ECRI景気先行指数とは
米国の民間の調査機関ECRIが毎週発表している指数。
★指数が大きい⇒景気がいい
★指数が小さい⇒景気が悪い
と判断。
1967年以降の週次のデータが公表されています。
※Economic Cycle Research Institute | Public Home | ECRIで入手可
「マネーサプライ」「JOC-ECRI工業市場価格指数」「住宅ローン申請」「債券実質金利」「株価」「債券利回り」「失業給付申請」の7つの要素で指数化される指数。
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ECRI景気先行指数の今
※出所:https://stock-ai.com/eom-1-WLIW.phpより作成
最新データ2019.2.8のECRI景気先行指数は「143.6」。
直近ピーク2018.2.2の「152.5」より「-5.8%」の水準。
米国株価は上昇していますがこの指標の数値はさえない状況。
上下動を繰り返しながらですが、この1年以上下落トレンドが続いていることから、「世界の時価総額」「米国の社債スプレッド」などと同様、米国景気も
2018年1月末頃にピークアウトした可能性
があるかも。
今後再び昨年末(2018.12.28)のボトムを下回ってきた場合、危うい雰囲気。
2018年以降のECRI景気先行指数とS&P500
※出所:Economic Cycle Research Institute | Public Home | ECRI、^GSPC : Summary for S&P 500 - Yahoo Financeのデータより管理者作成 ※期間:2018.1~2019.2
2018年1月以降の「ECRI景気先行指数」と「S&P500」の週足データをグラフ化したものです。
ECRIは下落トレンドにあると思われますが、株価は大きく持ち直し。
株価とのミスマッチが明瞭です。
何らかの期待先行で株価が上げ過ぎているか?
参考データ①:ECRI景気先行指数とS&P500:長期データ
※出所:Economic Cycle Research Institute | Public Home | ECRI、^GSPC : Summary for S&P 500 - Yahoo Financeのデータより管理者作成 ※期間:1990.1~2018.11
米国景気と株価の連動性を如実に語るグラフ。
※参照記事⇒即時性の高い米国景気指標 ECRI景気先行指数
※週次データで両者の期間はほぼ一致していますが、数日の誤差あり
参考データ②:景気後退前にピークアウト?
ECRI景気先行指数は1967年以降の50年以上のデータと歴史があります。
下記グラフは1967~1987年のもの。
少しわかりにくいですが、網掛け部分が米国の4度の景気後退期で、4回すべてECRI景気先行指数が景気後退前にピークアウトしています。
※出所:https://stock-ai.com/eom-1-WLIW.phpより作成
※出所:https://stock-ai.com/eom-1-WLIW.phpより作成
同様に上記グラフからは1987~2018年に起きた3回の景気後退期の前にも指数がピークアウトしていたことがうかがえます。
ただ、後付けの解釈なので、いつがピークかはそのときには不明。
一つの目安。推測の材料。
おわりに
※出所:Economic Cycle Research Institute | Public Home | ECRI、^GSPC : Summary for S&P 500 - Yahoo Financeのデータより管理者作成 ※期間:2018.1~2019.2
現在は2018年8~9月頃に似たフワフワした時期なのか、そうでないのか。
ちなみに以前確認したECRIとS&P500の相関係数は0.88(期間:1990.1~2018.11)と高いです。
3/1期限の米中協議にからんで、何かあるんでしょうね。
人民元はドルに対して大幅反発。
株高の中、米国債利回りも低下傾向で、こんな記事も。
記事より引用。
株式相場が「景気見通しの実際の改善というより期待によって押し上げられてきた」が、「債券利回りが上昇していないことなど、ファンダメンタルな支えがないことを示す兆候がある」
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