最新の「製造業ＰＭＩ」と「ISM製造業景気指数」から世界と米国の景気を観察してみます。
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①グローバル製造業ＰＭＩ
「購買担当者指数」は「ＰＭＩ」とも呼ばれる景気指標の一つです。
世界の多くの国で採用されており、毎月更新される即時性の高い便利な指標です。
50が分岐点であり、
●50より大きい⇒景気拡大
●50より小さい⇒景気減速
と判断。
製造業ＰＭＩは「製造業購買担当者指数」のことで、製造業全般の景気を示唆します。
グローバル製造業ＰＭＩは「全世界の製造業の景気状況」を示唆する指数です。
グローバル製造業ＰＭＩの推移を見てみます。
※グローバル製造業ＰＭＩについて、詳しくはコチラ（英語サイト、PDF）
https://www.markiteconomics.com/Public/Release/PressReleases?language=ja
※出所：上記PDFサイトより作成
2019年2月は「50.6」（前月比「−0.2」）でした。
2017年12月をピークに14ヶ月続く下落トレンド。
●2018年2月：54.1
●2018年3月：53.3
●2018年4月：53.5
●2018年5月：53.1
●2018年6月：53.0
●2018年7月：52.7
●2018年8月：52.6
●2018年9月：52.2
●2018年10月：52.1
●2018年11月：52.0
●2018年12月：51.4
●2019年1月：50.8
●2019年2月：50.6
節目の50は超えていますが、トレンドは下げ。
ただ前月からの下げ幅は小さくなっており、下げ止まるのかどうか。
今後、節目の「50」を下回ることになれば世界的な景気減速を示唆。
※ＰＭＩについて詳しくコチラ↓
●中日独の景気動向 2017年11月データ - ユキマツの「長期投資のタイミング」
②主要国製造業ＰＭＩ
主要4ヶ国（米中日独）の国別の製造業ＰＭＩを確認。
期間は2016年1月～2019年2月です。
※出所：「https://jp.investing.com/search?q=製造業購買担当者指数 PMI」のデータより管理者作成
直近のピークは
●中国：2017.9月
●ドイツ：2017.12月
●日本：2018.1月
●米国：2018.4月
であり、今のところ
「中国⇒ドイツ⇒日本⇒米国」
の順にピークアウトしています。
2019.2月の数値変動は
●米国・中国・ドイツ・日本：すべて低下
ドイツ、日本、中国は節目の「50」を下回り景気減速モード。
中国は3ヶ月、ドイツは2ヶ月連続で50を下回っています。
日本は「50.3⇒48.9」と大幅な低下。
この中では最も景気がよさげな米国も「54.9⇒53.0」と大きな数値低下。
ざっくりした印象ですが、最近のトレンドとして
●ドイツ・中国・日本：景気減速
●米国：ごく緩やかに減速傾向？
と思われます。
依然として株価も景気も、今のところ相対的に元気な印象の米国。
日本はチャイナショック時、2016年3～8月まで6ヶ月間、「50」を下回りましたが、今回はどうなるか。
③ISM製造業景況指数
最後に、米国の景気指標の一つ「ISM製造業景況指数」を確認します。
PMIと同様、50が分岐点であり、
●50より大きい⇒景気拡大
●50より小さい⇒景気減速
と判断。
※ISM製造業景況指数についての記事↓
「株は景気の悪い時期に買うは正しいか？」米国景気の一つの指標【ISM製造業景況指数】
※出所：アメリカ ISM製造業購買担当者指数より作成
2019.2月は「54.2」（前月比−2.3）。
大きめに低下したのは米国の製造業PMIの動きと整合的。
ただ、水準としては54程度で低くはなく、米国の景気拡大を示唆。
今後50に近づいていくか、反転するか。
おわりに
※出所：アメリカ ISM製造業購買担当者指数、米S&P 500 インデックス(SPX) - Investing.comより作成
ISM製造業景況指数とS&P500の推移グラフです。
ISMが50を下回るポイントで必ずしも株価の大幅な下落が確認される訳ではないですが、
★株価が下げているときは
・ISMの数値が50を下回っている
or
・ISMの数値が低下している
ことが多い
とはいえそう。
グローバル製造業ＰＭＩが節目の50を下回る時期が来るのか、そろそろ反転の時期が来るのかどうか。
日独中の製造業PMIが50を下回る中、米国一強が当分続くのかどうか。
悪化の一途をたどるドイツはいつ下げ止まるのか。
とりあえず2月も総じて世界景気はあまりぱっとしない模様。
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