米国債の長短金利差に着目し、米国の景気動向、株式市場の動向を推測する記事です。
米国債の長短金利差を確認するメリット
米国の景気・株式市場の動向を探る役に立つかも?
※当ブログでは「長短金利差」
【米10年国債利回り-米2年国債利回り】
とします。
長短金利差について、詳しくはコチラをどうぞ↓
●米国債 長短金利差 <2017.12.22> - ユキマツの「長期投資のタイミング」
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直近の長短金利差
※出所:アメリカ 10年 債券利回り、アメリカ 2年 債券利回りのデータより管理者作成 ※期間:1995年1月末~2019年7月末
2019年7月末は「0.13%」で月末値としては直近では最低値。
※7月までは直近のボトムは2019年3月の「0.14%」。
前月末より縮小(6月末:0.25%)。
直近のピークは2010年3月の「2.81%」。
月末値でみると2019年7月末まで9年4ヶ月長短金利差の縮小トレンドが続いています。
2019.8.15現在、長短金利差は、0.00%であり、7月末(0.13%)より縮小。
一時的に逆イールドも発生。
※1.56%-1.56%=0.00%
※データ:米国債・金利 - Bloomberg
1995年以降の長短金利差と株価の関係
※出所:アメリカ 10年 債券利回り、アメリカ 2年 債券利回り、^GSPC : Summary for S&P 500 - Yahoo Finance のデータより管理者作成 ※期間:1995年1月~2019年7月
1995年以降の長短金利差と株価(【S&P500】を900で割ったもの)の推移グラフです。
2019年7月末は前月末に比べて
・長短金利差⇒縮小
・株価⇒上昇
し、両者のグラフ上の差は拡大。
このグラフでは、タイムラグはありますが、長期のトレンドとして概ね
●株価上昇期⇔金利差縮小トレンド
●株価下落期⇔金利差拡大トレンド
が確認できます。
また、この時期のデータに限れば、どちらかといえば
●金利差が大きい時期⇒株式は比較的割安?
●金利差が小さい時期⇒株式は比較的割高?
ともいえそうです。
※長い目でみた一つの傾向、経験則
FRB利上げ、利下げ予測
●Countdown to FOMC: CME FedWatch Tool
上記サイトによれば
2019年12月までに現在「2.00-2.25%」のFF金利は
・「1.50-1.75%」(現行より-0.50%)
か
・「1.25-1.50%」(現行より-0.75%)
になる可能性が高いとの観測。
※2019.8.15時点
現行より0.25%の利下げは既定路線、どの程度利下げ幅が大きくなるかが関心の的に。
あと4ヶ月ほどの間に「0.50%~0.75%」の利下げ幅予測が大勢。
あとがき
※出所:10-Year Treasury Constant Maturity Minus 2-Year Treasury Constant Maturity | FRED | St. Louis Fedより作成
長期の長短金利差「10Y-2Y」のグラフ。
「10Y-3M(3ヶ月物)」の長短金利差は2019.3月以降確認されていますが、約5ヶ月後、「10Y-2Y」も一時逆イールドに。
1989年以降では概ね4つの時期に確認されています。
・1989~1990年に確認⇒1990年に景気後退
・1998年に確認⇒景気後退せず
・2000年に確認⇒2001年に景気後退
・2006~2007年に確認⇒2008年に景気後退
直近4回のうち3回は景気後退しており、債券市場の見立てというのは、それなりに当たりやすいのかもしれませんし、「今回は違う?」かもしれません。
誰にも確実なことは分からないと思うので、個人的には右往左往せず予断を持ちすぎず、引き続き無理しないポジション(控えめのロングショート、長期投資のポジションは引き続き現金)。
今回はどうなりますか。こんな記事も