ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

【2回目】18ヶ月続く世界景気の減速トレンド

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最新の世界景気をCLIで観察してみます。


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①CLI(OECD全体)

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※出所:- Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより管理者作成

景気指標の一つ、Composite leading indicator (CLI。OECD景気先行指数)の2017年1月~2019年6月の推移です。

上記はOECD全体のCLIであり、世界全体の名目GDPの6割以上を占める国を網羅した景気指数です。

「100」が「ふつうの景気水準」、数字が大きいほど好況、小さいほど不況を示唆します。

先日更新された2019年6月のデータは「99.06」(前月比-0.04)。

2017年12月:100.70

が直近のピークとなっており、ピークから18ヶ月連続で減速トレンドが続いています。

先月分までは2017.11月が直近ピークでしたが、修正してきています。

そのため先月に続き2回目の「18ヶ月続く世界景気の減速トレンド」となっています。

景気水準自体は

悪い

といえそう。

数値の低下ペースは徐々に鈍化していますが、今後もし米国経済の減速傾向が続いた場合、世界景気の減速期間は長期化する可能性もあるか?

<参考:近年のCLIと経済イベント>

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※出所:- Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより管理者作成 ※数値は概算

1995年1月~2018年12月のCLIの推移と経済イベントです。

2019年6月時点の「99.06」は「チャイナショック」「欧州債務危機」の頃の数値を下回る水準。

ITバブル後(2001~2003年頃)、サブプライムバブル後(2008~2009年頃)の低水準に次ぐ水準。

※数値は随時修正されます

※CLIについて詳しくコチラ↓

トレンドは回復~少し停滞? ~OECD全体の景気先行指数 2017年11月データ~

②主要国CLI

主要4ヶ国(米中日独)の国別のCLIを確認します。

期間は2016年1月~2019年6月です。

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※出所:- Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより管理者作成

日本 オレンジドイツ 米国 中国

最近では<中国日本ドイツ米国>の順にピークアウト。

6月に関して中国以外、すべて下げています。

中国に関しては2019年1月頃をボトムに明確に反転していますがまだ低い水準。

<参考>主要国製造業PMI:2016.1~2019.7

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※出所:「https://jp.investing.com/search?q=製造業購買担当者指数 PMI」のデータより管理者作成

2016年1月~2019年7月までの景気動向を示唆する指標、製造業PMIの主要4国の最近の推移です。

「50」を節目に「景気拡大」「景気減速」を示唆。

こちらは「中国⇒ドイツ⇒日本⇒米国」の順にピークアウト。

2019.7月の数値変動は

●米国・日本:横這い

●中国:上昇

●ドイツ:低下

米国「50.4」、中国「49.7」と50の節目付近。

米国が50を下回るかが気になるところ。

日本「49.3⇒49.4」。ドイツは「45.0⇒43.2」と大幅低下。

※PMIについてはコチラ

参考データ:CLI(OECD全体)と世界の時価総額の比較

<近年の主な世界景気減速期における世界の時価総額>

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※出所:https://www.world-exchanges.org/Leading indicators - Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより作成  ※期間:1995.1~2019.1

<近年の主な世界景気拡大期における世界の時価総額>

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※出所:https://www.world-exchanges.org/Leading indicators - Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより作成  ※期間:1995.1~2019.1

「ストレスを抑えて比較的心地よく投資できる可能性が高い」のは世界景気の減速期ではなく、拡大期か?

個人的には2018年以降の投資ストレスはそれまでより増大傾向にあると推測。

おわりに

CLI(OECD全体)の数値は18ヶ月、1年半続く低下傾向。

徐々に実体経済の悪化が顕在化しつつあるような気はします。

米国、中国の経済成長率は低下傾向。

ドイツ、イギリスは直近ではマイナス成長。

フランスはプラス成長ですがゼロ近辺。

世界全体の時価総額(全世界の株式市場規模)のピークは2018年1月末であり、市場規模の拡大は1年半ほどストップしているいえます。

株式市場規模の膨張運動はしばらく明確に停滞しています。

景気減速は徐々に投資家の未来への期待をしぼませ、マクロでの企業業績悪化要因となりやすいと思われ、今回も現状では規模拡大を停滞させる要因となっているか。

そして世界景気のトレンドがいい時期、悪い時期は周期的に訪れており、

★どうせ予知できない未来に大事な資産を賭けるなら、相対的に景気拡大期の方が期待値が高いのではないか?(ぼんやり待っていればそのうちいい時期が来る可能性は高い?)

★近年の大きな株価下落時期は総じて世界景気減速期に当たっており、大きな含み損を抱えるリスク低減のために世界景気減速期は安全資産を手厚めにしておくのも一手か?

というのが本ブログの主旨の一つ。

とりあえず実体経済悪化の顕在化など、事態はあまりいい方向には進んでいなさそうな雰囲気。

※株価同様、景気動向がいつ反転するかは不明です

※先のことは分かりません。投資は自己責任で

<景気拡大期>

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<景気減速期>

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