2019年9月末のFRB、ECB、日銀、3つの中央銀行の資産動向を確認する記事です。
※本記事では便宜的に「1ドル=110円」「1ユーロ=130円」で円換算しており、数値は目安、概算です
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中央銀行の動向を確認するメリット
中央銀行の動向は
投資タイミングの時期を判断する一つの手掛かりになり得る
とわたしは思います。
※その説明↓
●「中央銀行の動向」が「投資タイミング」を判断する、一つの手掛かりになり得ると考える根拠 - ユキマツの「長期投資のタイミング」
FRBの動向
※出所:All Federal Reserve Banks: Total Assets | FRED | St. Louis Fed
ここ5年のFRBの資産推移です。
2018年頃から資産縮小が本格化し2019年8月までは縮小。
2019年9月中旬より資産は増加に転じています。
2019年9月末:3.86兆ドル(約425兆円)でした。
前月比 +11兆円。
2019年は9ヶ月で24兆円減少。
※出所:All Federal Reserve Banks: Total Assets | FRED | St. Louis Fedのデータより管理者作成
ECBの動向
※出所:Central Bank Assets for Euro Area (11-19 Countries) | FRED | St. Louis Fed
ここ5年のECBの資産推移です。
ECBの資産は2019年9月末:4.64兆ユーロ(約603兆円)でした。
前月比-5兆円。
今年は9カ月でやや減少。
※出所:Central Bank Assets for Euro Area (11-19 Countries) | FRED | St. Louis Fedのデータより管理者作成
日銀の動向
※出所:Bank of Japan: Total Assets for Japan | FRED | St. Louis Fed
ここ5年の日銀の資産推移です。
日銀の資産は2019年9月末:約570兆円でした。
前月比-3兆円。
今年は9カ月で+18兆円ほど。
※出所:Bank of Japan: Total Assets for Japan | FRED | St. Louis Fedのデータより管理者作成
3つの中央銀行、トータルでの変動
※出所:Bank of Japan、Central Bank Assets for Euro Area 、Total Assets | FRED | のデータより管理者作成
3つの中銀のトータル資産は2019年9月末:約1598兆円でした。
・前月比+3兆円。
・FRB:+11兆円
・ECB:-5兆円
・日銀:-3兆円
※為替レートや四捨五入で誤差あり
2018年は年間で「+16兆円」でした。
2019年は8月までで「−10兆円」。
地味な動き。
【FRB、ECB、日銀資産】の合計(年末値)と年間増減
※出所:Bank of Japan、Central Bank Assets for Euro Area 、Total Assets | FRED | のデータより管理者作成
2015~2017年は年間で150兆円を超える増加となっており、人為的に金利を抑えた感が強かった時期。
2016~2017年は概ね世界景気は拡大傾向だったので、
「金融緩和+景気拡大」
で投資環境はすこぶる良好だったか。
2018年以降とはずいぶん投資環境は異なります。
おわりに
★FRB
量的縮小は前倒しで8月1日に終了。
9月中旬より「米国レポ市場混乱の終息のため」
10月15日より「銀行システム内における潤沢な準備の確保に向けて」月額約600億ドルの財務省証券の買い入れを開始している模様。
理由はどうあれFRBが国債を買い上げ、資産はけっこうな速度で増加中。
FRBの資産は
★資産縮小開始前の2017年9月末:4.46兆ドル
★2019.10.16:3.97兆ドル
なので、月額約600億ドル(0.06兆ドル)で増やせば計算上は8カ月ほどで資産縮小前の規模に戻るようなわりとハイペースな買い入れ。
米国債の利回りはFRBの債券購入が始まった9/16⇒10/18で
★3ヶ月債:1.99%⇒1.66%(-0.33%)
★10年債:1.90%⇒1.75%(-0.15%)
となり、3ヶ月債は大幅な利回り低下、逆イールド解消。
利回り低下は株価や経済にポジティブ。
中銀介入の影響を無視できない大きな動き。
★ECB
11月から毎月200億ユーロ(約2.4兆円。1ユーロ=119円で計算)規模の量的緩和再開とのこと
日欧米3中銀ともに緩和的となり、金融政策面で市場への後押しはある状況。
個人的には引き続き中銀(金利動向)や世界景気動向についていく予定。
もし今後
「金融緩和+世界景気拡大」
な状況がやってくれば短期的には
★ロングショートのロングの比率をやや高める?
★「ロング+プットオプション買いヘッジ」のポジションを増やす?
ことも検討すべきか。
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