米国債の長短金利差に着目し、米国の景気動向、株式市場の動向を推測する記事です。
米国債の長短金利差を確認するメリット
米国の景気・株式市場の動向を探る役に立つかも?
※当ブログでは「長短金利差」
【米10年国債利回り-米2年国債利回り】
とします。
長短金利差について、詳しくはコチラをどうぞ↓
●米国債 長短金利差 <2017.12.22> - ユキマツの「長期投資のタイミング」
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直近の長短金利差
※出所:アメリカ 10年 債券利回り、アメリカ 2年 債券利回りのデータより作成 ※期間:1995年1月末~2019年10月末
2019年10月末は「0.17%」。
前月末より差は拡大(9月末:0.05%)。
直近のピークは2010年3月の「2.81%」でボトムは2019年8月の「0.00%」
月末値でみるとボトムは2019年8月末で9年5ヶ月長短金利差の縮小トレンドが続いていました。
8月末で縮小トレンドが終わったのかどうか。
2019.11.19現在、長短金利差は、0.20%であり、10月末(0.17%)よりやや拡大。
※1.80%-1.60%=0.20%
※データ:米国債・金利 - Bloomberg
1995年以降の長短金利差と株価の関係
※出所:アメリカ 10年 債券利回り、アメリカ 2年 債券利回り、^GSPC : Summary for S&P 500 - Yahoo Finance のデータより管理者作成 ※期間:1995年1月~2019年10月
1995年以降の長短金利差と株価(【S&P500】を900で割ったもの)の推移グラフです。
2019年10月末は前月末に比べて
・長短金利差⇒拡大
・株価⇒上昇
このグラフでは、タイムラグはありますが、長期のトレンドとして概ね
●株価上昇期⇔金利差縮小トレンド
●株価下落期⇔金利差拡大トレンド
が確認できます。
また、この時期のデータに限れば、どちらかといえば
●金利差が大きい時期⇒株式は比較的割安?
●金利差が小さい時期⇒株式は比較的割高?
ともいえそうです。
※長い目でみた一つの傾向、経験則 ※期間:1995.1~2019.9
FRB利上げ、利下げ予測
●Countdown to FOMC: CME FedWatch Tool
上記サイトによれば
2019年12月までに現在「1.50-1.75%」のFF金利は
・「1.50-1.75%」(現行と変わらず)
か
・「1.25-1.50%」(現行より-0.25%)
になる可能性が高いとの観測。
<2019.11.19時点>
現状維持派が大勢。
今年の(予防的?)利下げは3回で打ち止め予測。
<2019.10.17時点>
参考データ:「10年債と3ヶ月債」の長短金利差
10y-2yではなく「10年債と3ヶ月債」の長短金利差、長期推移。
※出所:10-Year Treasury Constant Maturity Minus 3-Month Treasury Constant Maturity (T10Y3M) | FRED | St. Louis Fedより作成
過去3回の米国景気後退前の長短金利差の最低値をつけた月(月末値データ)から景気後退開始までのタイムラグはおよそ
14ヶ月、3ヶ月、10ヶ月
今回は今のところ2019年8月頃がボトムか。
8月がボトムと仮定すると、もうすぐ3ヶ月経過。
※一つの経験則で今後役立つかは不明。
あとがき
世界の中央銀行の60%以上が金融政策緩和路線です。これは過去10年間で最高のパーセンテージです。 https://t.co/OiWk6ql0W2
— T.Kamada (@Kamada3) November 18, 2019
※ T.Kamadaさんのツイッターより引用
米国に関しては
★失業率が歴史的低位
★S&P500が最高値付近
★実質経済成長率2%以上(四半期ごとの前年比)
そんな状態から9月以降、強力な量的緩和が始まっています。
加えて世界的な中銀の金融緩和。
金融政策は人が決めるもの。
市場は一部の人が動かすものでもあり、群集心理が動かすものでもある。
一部の人の思惑通りに行くこともあれば、突然想定外が起きることもなくはない。
引き続き今年、来年あたりは明確過ぎる予断を持ちすぎず、データをじっくりみながら、用心深く動くことになりそう。
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