新型コロナ、米国不況の影響で再び市場は大きく下落し、二番底が来るのかどうか。
前回の米国景気後退がらみの値動き確認
※出所:S&P500 過去のレート - Investing.comより作成。以下のグラフ、データも同様
前回の米国景気後退前のピークはS&P500だと2007年10月。
その後の値動き(%。概算値)。
2007.10
⇒(約5ヶ月後)-20%
⇒(約2ヶ月後)+15%
⇒(約6ヶ月後)-49%
⇒(約2ヶ月後)+27%
⇒(約2ヶ月後)-29%
2008年3月までの-20%の下げによって「一番底」が形成されたとすると、この下落相場では三番底まであったようにも見えますが、2008年11月と2009年3月の2回の底があったとするのが一般的か。
前々回の米国景気後退がらみの値動き確認
前々回の米国景気後退前のピークはS&P500だと2000年3月。
その後の値動き(%。概算値)。
2000.3
⇒(約1ヶ月後)-14%
⇒(約5ヶ月後)+14%
⇒(約6ヶ月後)-29%
⇒(約2ヶ月後)+22%
⇒(約4ヶ月後)-28%
⇒(約4ヶ月後)+25%
⇒(約6ヶ月後)-34%
⇒(約1ヶ月後)+24%
⇒(約2ヶ月後)-20%
⇒(約2ヶ月後)+24%
⇒(約3ヶ月後)-17%
約3年にわたる下落相場、後半の乱高下が目立ちます。
より大まかにみれば、
2001.3月、2001.9月、2002.7月~2003.3月
あたりが底になりそう。
どうカウントするかによりますが、少なくとも三番底まではあったであろう下落相場。
二番底信仰の功罪
上記の下落相場では
二番底がやってくる
と信じ、二番底あたりでリスク資産への資金投入を完了できれば、とても効率的な投資ができたかもしれません。
一方、上記の下落相場では
底は二番までしかない
と信じ、二番底っぽい時期(2001.9月)にリスク資産への投入を完了してしまうと、その後の1年あまり(2002.1月~2003.3月頃)、概ね大きな含み益を抱えたまま鉄の意志で投資を断行し続けることを強いられる展開となっています。
※長期投資の場合
自分で勝手に
底は二回まで
と決め打ちすると、2002.1月頃には完全に危機は脱したと早合点し、その後の厳しすぎる低迷相場で投資をやめてしまう可能性は高まるかも。
二番底らしき2001.9月から4か月後の2002.1月までにS&P500は約25%も上昇しており、喜んで安心してしまうのが人情であり、そこから半年かけて34%下落していく展開は、多くの投資家をふるい落とすのには十分すぎるえげつない展開といえそう。
このように過去二回の米国景気後退期の下落相場をみるだけでも、
底は二回やってくる
と勝手に信じることは、プラスに働く場合とマイナスに働く場合があり、その功罪を判断することは困難と思われます。
当たり前の結論①:どうなるかは分からない
結局、未来が見えない以上、【二番底】信仰を過大に持ち過ぎる必要はなく、一つの起こり得るシナリオとして考慮すればよいのかもしれません。
まことしやかに二番底が「ある、ない」と主張したところで
「そんなことは分からない」
以外のことははっきりしていないと思われます。
当たり前の結論②:悲観シナリオが実現した場合の対応を考えておく
むやみに予想に励むよりは
三番、四番底を形成する長期的な下落相場に出くわしてしまったらどうするか
を考えておくのが現実的か。
本ブログ好みの結論③:景気回復に(部分的にでも)乗っかれれば
個人的には
・景気回復が確認されるまではリスク資産の比率は控えめ
・景気回復が確認されれば比率をより上げる
・嫌な予感がする時期はヘッジの比率を上げる
などで対応。
今は景気の底やトレンドが見えないので控えめなポジションでヘッジ付き。
底で全力投資できれば効率的ですが、底がいつかは分からない。
とりあえず「投資が嫌になる状況をできるだけ作らない」のがわたしにとっては重要であり、長期投資に関しては
「景気回復(拡大)トレンド+株価上昇トレンド」
の時期にそこそこにリスクをとってそこそこに収益があがれば、わたしは満足できそう。
下落相場における投資行動、一般的に何が正しいのかは大いに意見が割れそう。