最新の世界景気をCLIで観察してみます。
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①CLI(OECD全体)
※出所:- Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより管理者作成
景気指標の一つ、Composite leading indicator (CLI。OECD景気先行指数)の2017年1月~2020年5月の推移です。
上記はOECD全体のCLIであり、世界全体の名目GDPの6割以上を占める国を網羅した景気指数です。
「100」が「ふつうの景気水準」、数字が大きいほど好況、小さいほど不況を示唆します。
最新値、2020年5月のデータは「95.65」(前月比+1.41)。
4月からは大幅な上昇。
●2017年12月:100.80(直近のピーク)
●2019年8月:99.37(1つめのボトム)
●2020年1月:99.53(最近のプチピーク)
●2020年4月:94.24(2つめのボトム)
というのが最近の目立つポイント。
トレンドとしては
★2018年1月から「長い減速トレンド」が28ヶ月続く(2019年8月にだましの底打ちが入る)
★2020年4月に底打ち?反転し拡大トレンドに移行?
★それとも低迷が続く?
という状況。
景気水準自体は
・1961年以降で最悪
といえそう。
<CLI:1961年以降>
※出所:- Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより作成
※期間:1960.1~2020.5
※CLIについて詳しくコチラ↓
●トレンドは回復~少し停滞? ~OECD全体の景気先行指数 2017年11月データ~
②主要国CLI
主要4ヶ国(米中日独)の国別のCLIを確認します。
期間は2016年1月~2020年5月です。
※出所:- Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより管理者作成
<赤:日本 オレンジ:ドイツ 紫:米国 青:中国>
中国に関して。
3月までのデータでは3月も続落していましたが、5月の今回のデータでは2月に底打ちし、3~5月まで回復傾向を示唆。
大きく評価を変えてきています。
米国、ドイツは4月にいったん底打ち、5月は回復傾向。
日本はじんわりと低下傾向が続く状況。
参考データ:CLI(OECD全体)と世界の時価総額の比較
<近年の主な世界景気減速期における世界の時価総額>
※出所:https://www.world-exchanges.org/、Leading indicators - Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより作成 ※期間:1995.1~2020.2
<近年の主な世界景気拡大期における世界の時価総額>
※出所:https://www.world-exchanges.org/、Leading indicators - Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより作成 ※期間:1995.1~2020.2
「ストレスを抑えて比較的心地よく投資できる可能性が高い時期」
はどちらかといえば、世界景気の減速期ではなく、拡大期?
というのが本ブログのスタンス。
おわりに
新型コロナ対策としてのロックダウン、外出制限の影響もあり、少なくともここ60年で最悪レベルの歴史的な不況。
2020年5月のCLIデータは「95.65」で水準自体は非常に低いですが、4月よりは大幅に改善。
世界景気は2017年12月のピークからすでに2年半ほど経過しており、中長期的な景気循環的としてはいいかげん、景気拡大方向に舵を切ってもよさそうな時期とわたしは勝手に思っています。
またロックダウンの時期以上に景気が悪くなる時期もないのではないかという気もします。
ただ、現在株価が低迷しているわけでもなく、むしろ米国株などはやや割高かもしれず、今後何らかの要因で株価が低迷すると、2020年4月、5月ほどではないにしても、景気低迷が続く可能性もありそう。
とりあえずCLIの数値的には2020年4月に底打ちした可能性も高そうで、株価水準が下がってきて次の秋から冬のコロナを何とか無事に乗り越え、その後本格的に長期投資がしやすい状況がやってきてくれればなあと感じるところ。
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